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カテゴリー: 組織・人事
公開日 2015.04.03
今年1月より、BOI(タイ投資委員会)が定めた新しい投資奨励策が適用されています。当初BOIは、「特別経済開発区委員会が指定する特別経済開発区への奨励投資プロジェクトで、未熟練外国人労働者の使用を認める」としていましたが、その後の1月19日、投資委員会事務局は奨励プロジェクトの現場レベルでの労働者不足問題を軽減させることを目的に、以下の発布を行いました。
1.2016年12月31日まで奨励プロジェクトにおいて合法的な未熟練外国人労働者の使用を許可する。
 2.奨励プロジェクトにおいて未熟練外国人労働者を使用する場合、諸関係政府機関の未熟練外国人労働者の使用に関する法律および規定を遵守しなければならない。
つまり、限定されたBOI取得企業でのみ認められていた未熟練労働者の雇用が、2016年末まで、すべてのBOI取得企業で認められることになったということです。
今回これらの外国人ワーカーの直接雇用が認められたことで、タイ人ワーカーだけでは労働力が不足していたBOI企業にとっては問題解決の方法がひとつ得られたことになります。これまで繰り返しお伝えしてきた内容ですが、定着率が不安定なタイ人ワーカーに比べ、限られた期間で少しでも多く稼ぎたいと考える外国人ワーカーは真面目で残業も惜しまず働く人材が多く、貴重な労働力として活躍が期待できます。これまで外国人ワーカーの活用をご検討されながらも躊躇されていた方にとってはまさに朗報です。
1.について、当初発表された新投資奨励策では限定されたエリアでのみ雇用が認可されると言及されていましたが、BOIへ直接確認したところ、新たな発布により、エリアに関係なくタイ国内のどこでも認可が下りるよう変更されたとのことです。また、認可の対象となるBOI投資奨励策についても、新旧問わず、いつ認可を取得したプロジェクトでも対象になるとのことでした。
未熟練外国人労働者が取得する2年間の就労ビザは、私たち日本人が取得している就労ビザとは異なります。私たちは労働省で労働許可証(ワークパーミット)を取得しますが、未熟練外国人労働
者のそれが発行されるのは、雇用元企業がある地方労働局でBOIの管轄ではないため、同時に2.が発布されたものと思われます。ちなみに、現段階でこの未熟練外国人労働者の雇用について、BOIへの申告は義務付けられていません。
ミャンマー、カンボジア、ラオスもそれぞれ経済成長は著しく、賃金は上昇を続けていますが、彼らにとってはまだまだ先を行くタイへ労働に来るメリットは大きく、雇用する企業側としても、AEC発足を目の前に次なる製造拠点・市場の担い手としての可能性を含むこれら3ヵ国の人材を戦略的に雇用することで見出せるメリットがあるのではないかと思います。
糸永里美 Satomi Itonaga
HUMAN ASIA RECRUITMENT CO., LTD. マネージャー
マレーシアに本社を置く同社タイ法人で、外国人ワーカー派遣・人材紹介を専門に担当。
タイ在住13年。日々、タイ国内の企業や工場を数多く訪問している。

THAIBIZ編集部

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