カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2016.04.29
カンボジアのタイ側国境に面する街・ポイペトの強みは大きく2点、地理的な優位性と豊富な労働力だ。
ポイペトは、ベトナム・ホーチミンのカイメップ・チーバイ港からカンボジアの首都プノンペン、タイ・バンコクを抜けて、ミャンマーのダウェー港までをつなぐ「南部経済回廊」のルート上に位置している。バンコクから車で約3時間半、レムチャバン港からは約2時間半というロケーションは、タイ国内の工業団地とほぼ変わらない利便性の良さだ。簡易通関の制度を利用することで、国境から20キロ圏内までタイ車両の入国が可能であるため、貨物の積み替えの必要もない。
タイ側国境から7キロの距離に位置する「SANCOポイペトSEZ」は、同地では初の日系工業団地として2012年に設立。工業用地と工場のリースに加え、カンボジア人の人材派遣・教育・労務管理サービスを行う。同SEZ内企業は適格投資案件(QIP※)に与えられる優遇に加え、原材料や建築資材などの輸入時に課される関税、付加価値税(VAT)が免除となる。進出に係る諸手続きから許認可申請、通関手続きなどをワンストップサービスで提供するなど、進出企業のサポート体制が整っている。
プノンペンの人口が約180万人であるのに対して、ポイペト市のあるバンティメンチャイ州と、隣接するシェムリアップ州、バッタンバン州など近隣の6つの州を合わせると人口は約300万人と豊富で、その約6割が30歳以下とされている。2016年3月現在、カンボジア政府が定める月額最低賃金は140米ドルで、政府による若年人口の雇用拡大、特に高度な技術を有する日本の製造業による投資への期待は大きい。
2016年春にはSANCOポイペトSEZの第一号テナントである、日本発条( ニッパツ)のタイ子会社、NHK SPRING (THAILAND) CO., LTD. が設立したカンボジア法人が、自動車用シートの縫製部品生産を開始予定。
また、同年後半には豊田通商テクノパークも営業開始予定だ。
労働コストの上昇と人手不足が今後も懸念されるタイから労働集約型の業務をCLMVに移管、タイを基点にメコンエリア全体でサプライチェーンを構築し、最適化させる製造業の流れは加速しており、タイ+1進出先の有望な投資先としてポイペトには熱い視線が注がれている。
※最大9年間の法人税免除減免や特別減価償却適用、生産設備などの輸入免税、生産原料輸入・製品輸出の関税免税、 投資保証などを定めた投資優遇制度
タイニッパツの縫製部品会社
NHK SPRING (CANBODIA) CO., LTD
SANCO CAMBO INVESTMENT GROUP
Phum Phsar Kandal, Sangkat Phsar Kandal,
Poi Pet City, Banteay Mean Chey Province, Cambodia
TEL(: +855)97-550-0666(日本人担当:山田与重)
E-MAIL: [email protected]
WEB: www.sancosez.com
THAIBIZ編集部
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