カテゴリー: ASEAN・中国・インド
公開日 2016.04.29
2015年11月に実施された総選挙に基づき、選出された議員により構成される国会が16年2月より開始された。総選挙後も1月末までは以前の選挙により選出された議員による国会が運営されており、駆け込み的に、コンドミニアム法、仲裁法、賃金支払法等といった多くの重要法案が成立した。
現在のテインセイン大統領の任期も16年3月末日で満了となり、4月1日より新たな大統領が就任する。
ミャンマーでは、上院、下院、軍人議員団が各1名の大統領候補を選び、その後、全議員の投票で大統領を選出するが、憲法59条Fにより外国籍の親族がいる者は大統領になれないことになっており、息子が英国籍のアウンサン。スーチー氏は大統領に就任できない。そのため、憲法の当該条項を停止する法案の可決をスーチー氏率いるNLDは目指していたが、軍人議員の同意を得ることができず否決された。仮に可決されていたとしても、憲法よりも下位の法令である法律により憲法の条項を停止できるのかという疑問も存在した。
その結果、本稿執筆時点(3月11日)においては、スーチー氏の側近の1人であり、高校の同窓生でもあるティン・チョー氏が下院の大統領候補に選出され、大統領就任が最も有力視されている。スーチー氏と親しいことから、以前から公言されていたとおり、スーチー氏が事実上新政権を運営していくものと思われる。
TNY国際法律事務所共同代表弁護士
SAGA国際法律事務所代表弁護士
堤 雄史
東京大学法科大学院卒。2012年よりミャンマーに駐在し、駐在期間が最も長い日本人弁護士であり、会社設立、合弁契約書及び雇用契約書等の各種契約書の作成等のミャンマー法及びタイ法に関するサービスを提供している。2016年2月にバンコクオフィス(TNY国際法律事務所)を開設した。
[email protected]
http://www.tny-legal.com
ベトナムはTPP(環太平洋戦略的経済提携協定)加盟国のひとつです。日本とベトナムは日越EPA(経済連携協定)が2009年から発効されているため、日越間貿易をしている企業にとってはややメリットを感じないかもしれませんが、TPP加盟12ヵ国域内での相互貿易、例えばベトナム拠点からの米国向け繊維製品輸出などに寄せられる関心は非常に大きいと言えます。
紡績から縫製までを域内で行った場合、繊維製品は原産地証明を取得することができます。しかしながら、ベトナムの紡績業は一貫生産体制ではなく、中国などからの輸入に頼っているのが現状です。しかも中国はTPP未加盟であるため、糸を中国などから輸入すると、TPPの免税や減税の対象にならない可能性があります。そのため、ベトナム国内で紡績工場を設立し、糸から一貫製造しようという台湾や香港からの投資が始まっています。
今後も、このようなTPPを想定した投資スキームや動向が活発になると思われ、日系企業としても、ビジネスチャンスを逃さないようにしたいところです。
2015年1月から、外食産業の路面店は100%外資での設立が認められていましたが、実情はさまざまな難点もあり、その後もあまり100%外資のレストランは路面に登場せず、国際的外食チェーンの進出で騒がれることもあまりありませんでした。
そんな中、16年3月、ホーチミン市に日系外食チェーンが100%外資でライセンスを取得しました。まだまだ懸念事項も多く、急激な増加は予想できませんが、前例ができたことで、少しずつ増えていくのではないかと思われます。
AGSホーチミン事務所 脇村美緒
大学卒業後、繊維専門商社で中国工場の生産・品質管理を経て2013年に渡越。2014年からAGSへ参画。特にベトナム法人とのビジネスマッチング、市場調査、視察アテンドや商談会のコーディネーター業務等に従事。
現地法人や駐在員事務所など独資形態ではない取引形態でのベトナム進出支援やその検討プロセス支援も行う。また、ジェトロ・ホーチミン事務所におけるプラットフォーム事業コーディネーターを兼務、各種取引支援や情報提供の黒子役でもある。他に、各種地方公共団体への情報提供や執筆も多い。
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THAIBIZ編集部
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