vol.12 タイ人の最近の離職・転職事情

ArayZ No.107 2020年11月発行

ArayZ No.107 2020年11月発行変革期の自動車産業 ~タイにおけるCASE~

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vol.12 タイ人の最近の離職・転職事情

公開日 2020.11.10

前回は、タイでの福利厚生の重要性などについて紹介いたしました。
今回は、タイにおける従業員の退職・転職事情について解説いたします。

非製造業の方が離職率は高い傾向

 弊社では8月にタイ人を対象とした「仕事・職場の満足度調査」及び弊社のお客様を対象とした「福利厚生アンケート調査」を行い、その中で退職・転職に関しても調査しました。

 図表1は企業向けに行ったアンケートで判明したタイにおける離職率となります。傾向としては非製造業の方が製造業より高い傾向にあります。その背景として非製造業がバンコクに集中しており、仕事の種類及びその数も多いため選択肢が広がることから、離職率(転職率)が高くなっています。

図表1 企業における離職率

 一方で、離職の要因についてもタイ人を対象にアンケートを取っており、図表2がその回答結果になります。10月号のコラムでは、タイ人が働く上で重要視しているのは「給与・福利厚生の充実」だとお伝えしました。

図表2 タイ人の退職要因

 退職の要因でも「給与・福利厚生が満足できない」が最上位に来ており、タイ人にとっていかに給与・福利厚生が大切か分かります。また、コロナ禍ということもあり、「会社が安定していない」も上位に来ています。

コロナ禍でも転職意欲は活発

 さらに、「現職の退職意思の有無・その場合の時期」についても役職ごとにアンケートを取りました(図表3)。

図表3 タイ人の現職の退職意思の有無・その場合の時期

 それによると役職ごとに大きな違いはありませんが、驚くことに現職を続けたいという回答は全体の21%に留まっています。全体の79%が現職の退職・転職を今後想定しており、そのうち33%は今すぐ退職・転職したいという回答になっています。

 ここまで非常に低い失業率で推移してきたタイですが、コロナ禍においても転職に対して意欲的な状況となっています。企業にとっては、いかにタイ人を定着させるかが非常に重要となります。

寄稿者プロフィール
  • 嶋 航 プロフィール写真
  • Reeracoen Recruitment
    Managing Director嶋 航

    愛知県出身。大学卒業後、コンサルティングファームへ入社し、日本およびベトナムで会計・税務・労務のコンサルティングに従事。2014年よりネオキャリアグループの海外法人REERACOENに入社し、フィリピン、ベトナムの立ち上げ・勤務を経て、18年7月よりタイのReeracoen Recruitmentに勤務。現在に至る。

REERACOENの紹介

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THAIBIZ編集部

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