NOK株式会社、「Oリング」の需要拡大でベトナム工場を増強・本格稼働

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    NOK株式会社、「Oリング」の需要拡大でベトナム工場を増強・本格稼働

    公開日 2022.07.31

    自動車生産に不可欠な重要部品「オイルシール」の世界トップシェアメーカーであるNOK株式会社(以下NOK)は7月25日、ベトナム・ホーチミン市近郊にあるVietnam NOK Co., Ltd.の工場(所在地:ドンナイ省ビエンホア市アマタ工業団地内)増築棟の落成式が執り行い、本格稼働を発表した。同工場(増築棟)は自動車生産に欠かせない機能部品「Oリング」の需要拡大に伴い、生産能力の増強に向けて約35億円を投資。敷地面積を既存の1.4倍となる44,000㎡に増築し、そのうち「Oリング」の生産スペースは約2倍になった。


    工場内観

    ■落成式での代表者挨拶
    ・鶴 正雄 NOK株式会社 代表取締役 社長執行役員
    「感染症拡大の影響が続き、世界情勢が激変する中ですが、モビリティニーズの多様化、産業用ロボット、一般産業機器のニーズの高まりなど、使用用途が拡大する弊社の戦略製品「Oリング」の重要生産拠点である、ベトナム工場増築が実現したことは非常にうれしい。サプライチェーンを維持することはもちろん、安全で働きやすく、誰もが格差なく快適でやりがいを持てる労働環境を備えた工場の完成に、尽力いただいたすべての皆様に感謝したい」

    ・吉田 直文 Vietnam NOK Co., Ltd. 代表取締役社長
    「ベトナム南部では、昨年「生産・飲食・宿泊の3つを工場内で対応できなくては操業できない」という厳しい規制の中、従業員全員でこの苦難を乗り越え、サプライチェーンの分断を阻止することができた。今回の増設は、工場建設だけでなく、生産設備、駐車場や排水処理設備など、約35億円の大型プロジェクト。従業員一同、力を合わせて必ず成功させ、ベトナム社会に貢献していきたい」

    この生産力強化により、自動車産業を中心に需要拡大や製造現場のスマート化、新型コロナウイルス対策、サスティナブル促進といった期待されるとNOKは述べている。詳細については以下より。

    ■自動車産業を中心に、需要拡大が期待される
    ハイブリッド車や電動(EV)車など、多様化するモビリティに対応し、需要が急伸する自動車産業。新型コロナウイルスの感染拡大により、公共交通機関の安全性に対する懸念が長引く状況と相まって、自動車は感染リスクの低い「安全な移動空間」として定着する現在、さらに自動車メーカーを悩ます半導体不足が緩和の方向に向かい、生産量の増加が期待される。

    ■製造現場のスマート化
    増築棟では製造現場のスマートインフォメーション(デジタル診える化)を推進し、「早期の異常発見・対策」「トレーサビリティ(原材料の調達、生産、消費、廃棄に至るまでのプロセスを追跡)」を強化。また、従業員出入口に2輪用の顔認証自動ゲート設置(渋滞緩和、セキュリティ強化)や食堂のIT化(配膳数管理による廃棄ロス活動)なども進めている。

    ■コロナ対策
    厳格な新型コロナウイルス感染防止対策を講じていたベトナムでは、一人でも感染者がでたら即操業停止になるというルールが設けられていたが、NOKベトナム工場では約4割(700名)の従業員が3ヵ月間以上を工場に寝泊まりし、工場稼働を死守したという実績がある。その後もサプライチェーン維持のために、事務所や食堂の増設・分離、時差通勤など、継続した対策を講じ、リスク分散を図っている。

    ■サステナビリティ
    グリーン・ファクトリー(環境に配慮した生産工場)を推進するべく、CO2の削減や省エネルギー化などのサステナビリティへの取り組みも積極的に実施。排水の削減に関しては、NOKの浄水膜簿の技術を活用し、工場で使った水の約23%を再利用、年間34,320トンを削減している。

    <ベトナム工場概要>

    ・社名:Vietnam NOK Co., Ltd.
    ・設立:2004年8月4日
    ・生産品目:Oリング、オイルシール
    ・株主:NOK100% 
    ・従業員:1,994名 (22年3月末時点)
    ・資本金:27百万USD(30億円)
    ・所在:ドンナイ省ビエンホア市 アマタ工業団地内
    ・土地面積:95,000㎡
    ・建屋面積:44,000㎡
    – オイルシール棟 20,000㎡ 
    – Oリング棟 12,000㎡ ⇒ 増築により24,000㎡
    ・ベトナムNOK(VNN)設立の目的
      - ベトナムでの日系メーカー等に対する販売を促進する為日本品質品の生産拠点を設置
      - オイルシール事業部の国内増産対応及び低コスト生産、タイNOK(TNC)における将来の受注増の受け皿の対応。

    ■オイルシールとは

    オイルシールの国内シェア70%、世界シェア50%を誇るNOKの主力製品。その名の通り、オイル(油)をシール(封じる)する機能部品で、自動車やロボットをはじめとする高い機密性が求められる機械類で広く使用されいる

    ■Oリングとは

    断面がO形の環状パッキンで、外部からの水や空気を遮断し、機械の中の流体を密封。NOKではさまざまな用途に応じた合成ゴムを駆使し、長期間の使用や過酷な条件下での使用に耐えるOリングを生産している

    ■NOK株式会社
    事業内容:シール製品・工業用機能部品・油圧機器・プラント機器・原子力機器・郷勢化学製品・エレクトロニクス製品・その他の製造・仕入・輸入・販売ならびに機械器具設置工場等、上記に付記する業務
    本社:〒105‐8585 東京都港区芝大門1-12-15
    https://www.nok.co.jp/

    THAIBIZ編集部

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