

ArayZ No.135 2023年3月発行タイ会計・税務・法務〜民法改正・LTRビザ・租税条約改正等もQ&Aで解説〜
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カテゴリー: ASEAN・中国・インド, 会計・法務
連載: ONE ASIA LAWYERS - ASIAビジネス法務
公開日 2023.03.10
2022年10月1日より「改正外国為替管理法(以下、外為法)」が施行されています。同法の中には、両替業に関する規定も含まれています。他方、両替業に関して「外貨両替業における合意(No.393)」及び「商業銀行及び外貨両替代理店の両替業に関する合意(No.449)」という二つの合意も別途存在しており、外為法との整合性を合わせる必要性が出てきました。
そこで今回、ラオス中央銀行(以下、中銀)は、上記二つの合意を無効として、これに代わる新たな合意「両替業に関する合意(No.1026)(以下、合意)」を22年12月28日付で発行、施行しています。
外為法第9条によると、ラオスにおいて外貨を現地通貨ラオスキープ(以下、キープ)に両替する場合は、ラオス国内の商業銀行でしか両替を認めないことが規定されています。さらに、外為法第37条及び合意第2条には、「両替業はラオス国内の商業銀行のみが行うことができるサービス」であることが明記されています。
これまでは、無効となった二つの合意に基づき、ラオス人個人や法人が商業銀行と業務契約を結び、代理店として登録することで両替所を営むことができていました。しかしながら、外為法及び12月発行の新たな合意に基づいた23年1月13日付の中銀からの通知により、「両替業は商業銀行のみが提供できるサービスである」という規定を厳格に実施することになりました。その結果、ラオス国内6行の代理店として登録されていたラオス国内113の両替所が、すべて営業停止となりました。
さらに、下記の1)から6)の場所において両替所が存在していない場合、商業銀行は、下記を運営する法人と契約を結び、両替所を設立することが可能となっています(合意第6条、第8条)。
これまで街中の至る所に両替所がありましたが、今後は両替所の場所が限定されると解釈できます。
両替所は個人からのみ外貨を購入することが可能ですが、購入した外貨はすべて7営業日以内に自身の商業銀行へ販売する必要があります。他方、国境や国際空港内にある両替所は、ラオスから出国する個人に対してのみ、外貨を販売することを認めることを検討すると規定されています(合意第13条)。
よくある質問として、旅行者が使い切れなかったキープを外貨に戻すことは可能かという問題がありますが、合意第13条に基づくと、ラオスから出国する旅行者に対しては、キープから外貨への両替できる可能性はゼロではないと解釈できます。しかしながら、これまで通りキープから外貨への両替は原則、難しい状況には変わりないため、引き続き留意が必要です。

内野里美
One Asia Lawyersラオス事務所に駐在。ラオス国内で10年以上の実務経験を有する。ネイティブレベルのラオス語を駆使し、現地弁護士と協働して各種法律調査や進出日系企業に対して各種法的なサポートを行う。
E-mail:satomi.uchino@oneasia.legal


THAIBIZ編集部



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