カテゴリー: 協創・進出, 食品・小売・サービス, イベント
公開日 2024.12.23
TJRIは11月21日、タイと日本の企業間の協業・新規事業の機会創出を目指す「TJRIビジネスミッション」で、パトゥムターニーにある、大手財閥ブンロード・ブリュワリーの製品開発部門「シンハーフードイノベーションズセンター」を訪問した。
今回のミッションでは、まず同社のビジネス・イノベーション・センターのロート・ムアンクルット所長が登壇し、同社の歴史と事業について説明した。「ブンロード・ブリュワリーは1933年に設立され、タイで最初の醸造所として始まった。主要事業は、①飲料事業:シンハービールやレオビール、アサヒビールなど、②パッケージ事業、③不動産事業:オフィスビル、ホテル、レジデンス(住宅)、④物流事業:運送や倉庫など、⑤飲食事業:150店舗以上の飲食店など、⑥新規事業:ベンチャーキャピタル(VC)やエンターテイメントなど—6つのグループに分かれている」とした上で、「チェンライ県に『シンハーパーク』という農園も持っており、地元の人々の雇用創出の役割を果たしている。そこではウーロン茶やゴムの木、ジャポニカ米など、さまざまな農作物を栽培している。これらの農作物の高付加価値化のパートナーを求めている」と述べた。
またロート氏は、「飲食などの新規事業への多角化において、弊社だけでは困難なため、パートナーとの協力を重視し、国内外の企業と共同で事業を展開している」とし、「タイと日本は良好な関係を持っており、日本企業とのコラボレーションもたくさん展開している」と強調した。
同社のこれまでの協業事例としては、亀田製菓と合弁でせんべいやあられを製造し、アメリカなどに輸出しているほか、丸善製茶とは合弁でタイ産の茶葉を使用した抹茶製造を手掛けている。
続いて、シンハーフードイノベーションズセンターのディレクターであるスパーポーン・ウボンラット氏が登壇。「同センターは6年前に設立された。冷凍食品と調理済み食品の開発に特化し、自社製品の研究開発と顧客向けの生産受託をサポートしている」とした上で、「レシピ開発から試作品製造、パッケージデザイン、グラフィックデザイン、マーケティングまで幅広く手がけている」とアピールした。
次に、同センター内にある食品研究開発のキッチン・ラボを見学した。ここには、ハラール料理と西洋料理、タイ料理、日本料理のラボがあり、参加者はここで開発した4種類の料理を試食した。
見学後、シンハーパーク・チェンライの新規事業開発マネージャーであるタマサック氏は「同センターは、新しい食品のレシピを開発する場所で、小規模な生産試験を行う実験工場だ。デパートなどで販売する調理済み食品など、大量生産を希望する方は、レシピがなくても、弊社で一緒に開発することができる」と説明した。試作を終えた後は、サムットサーコーン県にある「ヘスコ・ソリューション」の工場で大規模生産することも可能だという。そこでは冷凍食品や調理済み食品、ソースなどを製造しており、ラーメン店向けのラーメンソースや、輸出用のタイ料理などの実績がある。同氏は、「本格的な製造に入る前に、日本企業がタイにチームを送り、1〜2週間タイでレシピの開発や試作品を一緒に製造することもできる」と訴えた。
本ミッションではラボ内見学後に、名刺交換や交流会が行われた。
THAIBIZ編集部
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