“見えているつもり”が命取りに：外部視点の重要性

カテゴリー： 組織・人事

連載： BizWings - 中小企業経営論

公開日 2025.02.10

タイでの事業運営において、意思決定のスピードを早め質を高めることは、日系企業にとって重要な課題です。しかし、「見えているつもり」で進める意思決定が、毎日変化しているマーケットに対応しきれていない危険性を常に考える必要があります。この危機を回避するためにも、外部視点を使うことは有効な解決策です。

例えば当社は四半期に一度、英語話者の外部コンサルタントを招き、戦略ミーティングを実施しています。この取り組みは、社内でスクラムしがちな議論に新鮮な視点をもたらすだけでなく、意思決定を加速させる効果がありました。とりわけ、社内メンバーだけでは気づきにくいリスクや成長機会を指摘してもらえることが大きな利点です。

実際、世の中一般においても、社外取組役といった経営における外部の視点を活用している企業は、そうでない企業に比べて業績が良いことを示す調査も存在します。これは、外部視点が企業の経営にいかに有益であるかを示唆するものでしょう。

また、私自身も外部コンサルタントとして他社のミーティングに参加する機会がありますが、その際、客観的な意見や新たな視点を提供することで、企業側から大変価値があるとのフィードバックをいただいています。特に、異文化に対応する視点や最新の業界トレンドを収めた提案は、現地に根ざした視点とグローバルな視点の両方を求める企業にとって有益です。

外部の目の活用において、具体的には、次のような方法が考えられます。

これらの取り組みは、短期的な成果だけでなく、長期的な競争力の向上にも繋がります。タイという日本とは異なる性質を有する市場で成功するためには、自社の枠を越えた視点を積極的に収めることが鍵となるでしょう。「見えているつもり」が思わぬ命取りとならないよう、外部の目を活用することで、意思決定のスピードと質を向上させ、さらなる成長を実現してください。

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