ArayZ No.135 2023年3月発行タイ会計・税務・法務〜民法改正・LTRビザ・租税条約改正等もQ&Aで解説〜
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カテゴリー: DX・AI
公開日 2023.03.10
ACTY SYSTEM (THAILAND) CO., LTD.
ITを活用し、顧客の業務管理における効率化・統制強化を推進するソフトウェアメーカー。業務分析による課題抽出から改善フローの提案といったコンサルティングにも注力し、ニーズに合わせたパッケージシステム導入と個別ソフトウェア開発も可能。30名のタイ人SEの他、日本人SEが現地に8名在籍し、日本語によるサポートも行っている。
Managing Director 塚本 裕司
明治大学卒。日本のシステム開発会社でプログラマー・SEとして従事し、2008年に渡タイ。12年にACTY SYSTEM (THAILAND)を創業し、今年で10周年を迎える。タイ国のNo.1会計ポータルサイト「タイ会計サービス比較.com」管理人。
目次
タイでは右にあるイラストでお馴染みのACTY SYSTEM(THAILAND)、Managing Directorの塚本氏。近年は、タイの会計税務に関する有益な情報をウェビナーやYoutubeを通じて在タイ日本人向けに発信している。業務効率化に向けたソフトウェアの開発やコンサルティングを行う同社が見るタイの経理業務独特の課題と、人工知能(AI)をはじめとする最新技術を活用した改善方法について聞いた。
赴任した途端、日本で勤務していた頃には知らなくても良かった会計・税務・法務といった管理業務まで求められるようになるのは、多くの駐在員が直面するシチュエーションであろう。そんなタイで働く日本人と話をする中で、「月次決算の遅さ」、「経理スタッフの多さ」といった課題が経理部門で多く挙がると塚本氏は言う。
「これには日本と異なるタイの税務や、その業務を行うシステムの効率性が起因しています」(塚本氏、以下同)。
タイで上記の課題が多い理由の一つに、日本では年次で行われる税金の申告が、タイでは毎月7日(源泉徴収税)と15日(付加価値税)までに、前月の取引で発生した税金の申告を済まさなければならないという決まりがある。税務の申告が遅れると、ペナルティを科せられるとともに、何より会社の社会的信用を損ねてしまうため、遅れることが許されない重要タスクなのである。
「経理担当者はまず月初に税計算と申告作業に追われることになります。税計算のために紙伝票の内容を手入力でエクセルに転記するのですが、この転記作業にかなりの手間と時間がかかっており、このタスクが終わってようやく決算書の作成に取り掛かれるのです。このような現状が、日本と比べ、より多くの間接人材を投入しなければならない要因のひとつとなっています」。
税務処理を行う上で、経理担当者が使用する最もポピュラーな会計ソフトといえば“Express(エクスプレス)”である。多くの在タイ日系企業でも導入されているため名前を聞いたことのある方もいるだろう。しかし日本語での情報ソースが少ないことから、日本人が介入するには難しい領域である。
「シンプルで使いやすいところがExpressの人気の理由ですが、そのシンプルさ故に不便な点もあります。エクセルや外部ソフトからのデータ取り込みができないため、ここでも転記入力が必要で、作業効率が上がらない現場がよく見られます。
効率化のため、根幹となる会計ソフトを外部と互換性のある他のソフトに変える、という方法も考えられますが、それには新たなシステム構築のために時間とコストがかかります。また、経理担当者によっては使い慣れたソフトからの変更に強い抵抗感を示すケースもあるため、容易ではありません」。
そこで同社は、業務のやり方も既存の会計ソフトも変えずに自動化・効率化を図る業務改善を勧めている。それを実現するのがAIをはじめとする最新技術だ。
紙伝票のデータ化と仕訳データの自動作成
OCR(光学文字認識)とは印刷された文字や手書きの文字などをカメラやスキャナで読み込みデータ化する技術。それにAI(人工知能)を加え、ディープラーニング(深層学習)による識字率の向上や、読取項目の自動抽出を可能にしたのがAI-OCRだ。同社システムのAIエンジンには日本国内市場でNo.1のシェアを誇るAI inside社の「DX Suite」を採用し、タイ語の手書き伝票をスキャンするだけで内容をデータ化、データ化された伝票を解析、会計仕訳データを作成するところまですべて自動化できる。
会計ソフトへの転記入力の自動化
RPAとは、ソフトウェアに組み込まれたロボットに人間がやっている作業を覚えさせ、自動で遂行させる技術。これをAI-OCRと連携することで、生成した会計仕訳データをエクセルに出力し、そのエクセルの内容を既存の会計ソフトへ転記する作業を自動化することができる。つまり、AI-OCRとRPAを活用すれば、人間は紙伝票をカメラやスキャナで読み込むだけで、会計ソフトへの入力までが勝手に終わってしまうのである。
人工知能などを活用し社内業務のデジタル化を図ることで、成果を出しつつある企業とそうでない企業が生まれており、いま企業間での「デジタル格差」が広がっている。では、どのようにすればデジタル化によって業務効率化を進められるのか?それには「まずやってみる」ことが何より重要と塚本氏は説く。
「かつてスティーブ・ジョブズがコンピュータとは何かについて問われたとき、このような話をしました。『人間を含む様々な動物の種の中で、一定距離を最小限のエネルギーを用いて移動する時に、どの種が一番効率が良いかという研究で、コンドルが最上位、人間は下から数えて3分の1という結果に。しかし、人間が自転車を利用した場合を考察した結果、人間はコンドルの倍の効率を見せたのです』。
人間は道具を使うことで進化しました。自転車も初めて乗るときは倒れたら痛い、漕ぐのが怖いなどと思うかも知れませんが、慣れてしまえば便利な道具。ジョブズがコンピュータこそ知性の一部を拡大する偉大な道具であると語ったように、AIについても同じことを言いたいのです。
『これは自転車なんだ、まずはみんな乗ってみようよ』と」。
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https://www.dx-suite-thomasglobe.com/
【お問い合わせ】 ACTY SYSTEM (THAILAND) CO., LTD.
TEL: 02-541-5955
E-MAIL: [email protected]
URL: https://www.acty-thai.com/
444 Olympia Thai Plaza Bldg. 3rd Fl., Ratchadapisek Rd., Samsennok, HuayKwang, Bangkok 10310
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THAIBIZ編集部
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