海外志向を持つ若手弁護士の指標になることが目標新興アジア諸国で一括したリーガルサービスの提供を

海外志向を持つ若手弁護士の指標になることが目標新興アジア諸国で一括したリーガルサービスの提供を

公開日 2015.01.30

ASEAN地域で活躍する日系企業を紹介
ASEAN×BUSINESS×PERSON
JBL Mekong Co., Ltd.

松本 久美 まつもと くみ

海外志向を持つ若手弁護士の指標になることが目標新興アジア諸国で一括したリーガルサービスの提供を

松本久美氏は、日本では4年間にわたり、東京の法律事務所で弁護士業務に従事。慶應義塾大学法科大学院で助教(会社法・商法)を務めた経歴も持つ。カンボジアを中心にメコン地域でリーガルサービスを提供する「JBL Mekong Co., Ltd. 」に所属を移したのは2014年夏のこと。
現在はバンコクにある現地法律事務所「KASAME & ASSOCIATES Co., Ltd.」へ出向し、タイで主に日系企業案件を担当している。
「日本で所属していた法律事務所は経営者のパートナー弁護士数が11名で、勤務弁護士が私1人というところでした。11名の経営者たちはそれぞれの得意分野を生かした活動を行っており、私もそれぞれの分野でお手伝いをさせていただきました。7割程度が企業関連でしたが、民事では相続、離婚、交通事故といった案件にも携わり、幅広い経験を積むことができました。企業関連では、各種契約書のチェックに労務関係、M&A、ライセンス関係などあらゆる案件を担当。
M&A案件を担当した際は、売却の価値に直接関わる問題などを把握するため、法務リスクの洗い出し業務も行いました。また、弁護士の〝社会奉仕の義務〞を果たすため、国選弁護士として刑事裁判を受け持ったり、そのほかにも同事務所の代表が日本弁護士連合会の会長選に立候補した際に、その事務局での仕事というのも経験させてもらいました」。

夫婦揃って国際派メコン地域をフィールドに活動を開始

弁護士を目指していた学生時代から、すでに海外へは目を向けていた。ロー・スクールでは中国の法律も中国語で学んでいたという。
「もともと海外志向はありました。しかし、当然ながら日本国法がベースの弁護士資格は日本国内でのみ有効な資格です。海外へ出る前に基礎力を身に付けるため、幅広い経験が積めるところで就職をと選んだのが、東京の法律事務所でした。海外へ飛び立つきっかけとなったのは、3年ほど前から夫が出張ベースでベトナムに行っており、その時、夫がカンボジア関連の案件で法務相談をしていたのが、現在、私が所属しているJBL Mekong社(当時はJB Legal Consultancy社)の代表パートナー・藪本雄登氏だったのです。夫からカンボジアに面白い人がいると聞かされ、そのまま私も藪本氏を訪ねてカンボジアへ飛びました。彼には人としての魅力と、やる気というか熱気のようなものを感じました。また昨年、夫のベトナム常駐が決まり、ここまで要素が揃って、もう海外に出ない理由はありません。2014年夏からJBL Mekong社のパートナーである、タイのKASAME & ASSOCIATES社に出向という形で、念願の海外進出を果たしました」。

日系企業の進出を法務面でサポート若い世代の弁護士を牽引する存在に

タイでは今までの経験を生かし、日系企業のタイ進出や労務相談など、企業関連のリーガルサービスを担当している。
「日系企業の進出時に、合弁なのか、それとも外資100%なのか、またBOIの認可が取れるのかなど、どのような形で進出すべきかというご相談や、企業設立時の就業規則や雇用契約書の作成といったサポートも担当しています。日本で会社を設立する際には資本金が100%必要ですが、タイでは全体の25%以上があれば、原則設立可能です。また、合弁会社に限らず、総会での議決権が日本だと原則1株=1票ですが、タイには優先株というものがあり、1株につき2〜3票にすることもできます。資本の割合は、外国人事業法の関係上、タイ国内企業となるには51%以上がタイ資本でなければなりません。この場合、1株1票だと過半数の議決権をタイ側が有することとなり、日本側が決定権を有することができなくなってしまいます。それを回避するため、日本側にのみ優先株式を用いて議決権を調整し、対応しています。
日本とタイの法律体系や考え方は、似ていると感じるところも多いのですが、細かい部分で相違点があり、タイ進出を準備されている日系企業の日本本社へ説明させていただく時は、その違いを理解してもらえるよう努力しています」。
JBL Mekong社としては現在、カンボジア、ラオス、そしてタイに拠点を設けており、今後ますます加速が予測される日系企業の〝タイ+1〞の動きを捕捉していきたい考えだ。今後はミャンマー、ベトナムも視野にいれ、新興アジア地域で一括したリーガルサービスの提供を目指している。
同社は所属社員の平均年齢が30歳前後と、若く優秀で勇敢、そしてやる気に溢れた社風が特徴的だ。海外志向を持った若手弁護士の指標となるよう、5年、10年先を見据え、その目標に向かって進み続けている。

 

jbl
JBL Mekong Co., Ltd.
2F, Phnom Penh Tower,
#445, Monivong Blvd (St. 93/232), Sangkat
Boeung Pralit, Khan 7 Makara, Phnom Penh, Cambodia
+855(0)2-3640-5621(Cambodia Office)
http://www.jblcambodia.com

KASAME & ASSOCIATES Co., Ltd.
Panjathani Tower 18th Floor 127/23 Nonsi Road,
Chongnonsi Yannawa, Bangkok 10120
02-681-2171~2

THAIBIZ編集部

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