カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2016.01.22
C.E.O. 松尾俊哉 まつお としや
アプリダウンロード数は800万超、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、で650万人以上の会員を持つASEAN最大のEブックストア、Ookbee Company Limited(以下、Ookbee社)と、トランスコスモス株式会社は2014年4月、ASEAN市場向けにECワンストップサービスを展開するパートナーとしての連携を目的に、資本・業務提携を締結。
15年6月3日には合弁会社「OokbeeMall (Thailand) Co., Ltd. 」(以下、Ookbee Mall社)を設立し、タイの書籍・雑誌やITガジェット、ファッション、アクセサリーのほか、日本ASEAN地域で活躍する日系企業を紹介のコスメ、雑貨、プレミアムなフルーツや野菜などを日本からタイへ越境で販売するEC事業を同年10月28日より開始した。
トランスコスモス社は、①デジタルマーケティング②ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)③コンタクトセンター④Eコマースワンストップサービス―の4サービス事業を持ち、ECワンストップサービスでは、日本をはじめ世界36ヵ国で展開している。
「トランスコスモス社では現在、ASEANにおいては、Eコマースの関連企業9社に出資しています。Ookbee社もそのひとつです」と話すOokbee Mall・C.E.O.の松尾俊哉氏は、メーカー勤務を経て、07年に日本最大手のEコマース企業に転職。台湾やタイでEコマース事業の立ち上げに携わった人物だ。
「タイ人の訪日旅行は年々増加し、最新のデータでは前年比145%伸長と聞いています。
当社の狙いもタイの旅行者が好む日本製の商品や食料品を、より簡単に手に入れられるようにすることにあります」。
まずは書籍を含む9万点の商品から開始し、日本のユニークな商品を始めとする商品カテゴリーを拡充。書籍と連動したマーケティング施策を推進していくという。
タイ市場は個人消費の落ち込みが懸念されているが、その原因について、松尾氏は需要と供給のミスマッチと指摘する。「インターネットの普及により、タイのユーザーはタイにない商品情報も得られるようになりました。しかし、購入したいと思っても実店舗には置かれていない。インターネットとリアルの間にギャップが生じているのがタイ市場の現状です。これには財閥系が流通を抑えていることもあり、新規参入が難しいということが起因していると思います。Eコマースであればこの障壁を打破できます」。
追い風となるが如く、スマートフォンユーザーの多いタイでは、高速の通信規格である4Gの提供が始まる。
「タイ人向けに北海道や東北、東京、大阪、九州などのガイドブックがOokbeeのウェブサイトとアプリからダウンロードできるようになりました。タイ人の訪日リピーターが増えていることから、ニーズに沿ったきめ細かい、ディープな情報を配信していきます。ベストなタイミングでクーポンやプロモーションなどをガイドブックから発信するこもで
きるのは、オンラインだからこそ。日本で食べたものや購入したものがOokbee Mallで購入できるという体験をしていただけるようになれば」。
まずはタイでの事業を進めていくが、将来的にはスマートフォン普及率が高まるASEAN各国での展開も視野に入れている。
「当社が持つEコマースの経験やノウハウを活かし、タイ人の方たちに安心・安全なインターネットショッピングを楽しんで、そして、Ookbee Mallのメリットを感じていただければと思います。タイのEコマース市場はまだ小さいですが、飛躍的な成長が見込める市場です。この市場が大きくなれば、実店舗への影響も現れてくると考えています」。
タイのEコマース市場における日系企業のプレゼンスを上げるべく、新たなECビジネスの構築に期待が寄せられている。
トランスコスモス株式会社
東京都渋谷区渋谷3-25-18
+81(0)3-4363-1111
http://www.trans-cosmos.co.jp
Ookbee Mall (Thailand) Co., Ltd.
1104/269 Noble Pattanakarn Village,
Pattanakarn Road, Suanluang,
Bnagkok 10250
02-187-2570
http://www.ookbeemall.com
THAIBIZ編集部
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