カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2016.03.25
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PRESIDENT 荒木敏朗 あらき としろう
自動車のシート機能部品、シートフレーム、スライドレールなどの機能製品の生産を行うトヨタ車体精工株式会社が、2015年6月に海外子会社としては初となるSeat Metal Parts (Thailand) Co., Ltd. (以下、SMPT社)をアマタナコンに設立。日本国内4工場に加え、タイでもミニバン、SUVなどの自動車シート機能部品を現地生産できる体制を整えた。
トヨタ車体精工は15年7月には、トヨタ系完成車メーカーとしてハイエースなどの生産
と自動車部品製造を手がける岐阜車体精工株式会社から、開発権を含むシートトラック事
業を譲受した。開発から製造までを自社で一貫できるようになったことで、日本とタイ、両国のシートトラックメーカー業界における競争力を高める。
SMPT社社長の荒木敏朗氏は、日本では車両ボディーラインの生産準備一筋の技術者
だ。
「ミニバンの多様なシート配列バリエーションを実現する、超高強度材(100Kハイテン)を用いた、最長300ミリを超えるロングスライドレールを『ロール成形型』で対応する技術は当社だけのものです。タイ進出の一番の理由は顧客企業に対する現地調達・支援。将来的にはインドネシア、マレーシア、フィリピンなどASEAN諸国における展開も視野に入れています」。
日本ではファミリー、レジャーなどさまざまな用途に柔軟に応えるミニバンとSUVは、
乗り心地の向上と、手頃な価格帯の車種が増えたことなどを理由に市場での存在感を増し
ている。中国でも広く快適というミニバンの特徴が社用車にマッチしていること、また一人っ子政策が廃止されたことを商機と捉え、韓国や欧州メーカーなどが販売やブランディングを強化しているという。
タイではセダンと日本未販売のピックアップトラックが人気だが、ミニバン、SUVのニーズも増加傾向にある。
「ミニバンは実用的に人をたくさん乗せることもあれば、7人乗りを4人乗りにしてVIP仕様にしてリムジン的な使い方がされることもあります。当社のロングスライドレールは走る、止まる、曲がるといった自動車の機能に関わる製品とは異なり、シートを前後に動かせる、倒せる、乗り降りが快適になるなど、自動車の限られたスペースを有効にする機能部品です。
(遅いという意味で)『なぜ今、タイ進出?』と言われることもありますが、自動車に快適性を求めるニーズは、確実に伸びてきています。我々にとっては、ハイバリューな自動車の市場割合が今後、どれだけ増えるかが重要なポイントです。
新興市場が求める需要に対し、妥協せずにものづくりを続けていくつもりです。スタート
したばかりの会社ですが、〝小さく生んで、大きく育てる〞精神でチャレンジしていきます」。
トヨタ車体精工株式会社
愛知県高浜市新田町1丁目1番地
+81(0)566-53-5820
Seat Metal Parts (Thailand) Co., Ltd.
Amatanakorn Head Office & Plant
700/901 Moo 5, Tambol Nongkakha,
Amphur Phanthong, Chonburi 20160
038-109-380
THAIBIZ編集部
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