カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2022.08.10
A:どちらの意見もあり、未知数です。
コロナ以前になりますが、ある大手企業のタイ駐在員の方とお話した際に「半年先まで週末の予定が仕事上の関係者の方とのゴルフでほぼ埋まっています」と言われて驚いたことがあります。これは特異な例なのかもしれませんが、私の周囲でも仕事関係の方とゴルフをされている方がそれなりにいる印象です。
また、タイでゴルフ場を経営している知人によると、彼のゴルフ場の週末利用者の約7割は日本人なのだそう。
仮に、この多くが駐在員で仕事関係者とプレーしているのだとすれば、タイの日本人コミュニティでゴルフを通じた仕事上のコミュニケーションを図られている方は、確かに一定数以上いらっしゃるということになりそうです。
では、ゴルフをすることで実際に会社の売り上げが伸びたり、さらには個人の評価が良くなったりといった効果はあるのでしょうか?この問いに対する回答について、タイにおける事例は見つけられなかったのですが、アメリカの例で見ると「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」とのことです。
あるゴルフ肯定派の記事※1で「ゴルフが仕事の成功に必要である」ことを表した例がいくつか示されています。それによると、たとえばゴルフと仕事の成功には以下のような関係が見られると言われています。
■ 全米トップ500社の社長のうち、90%がゴルフを嗜んでいる。
■ 定期的にゴルフをする社長の給与は、そうでない社長の給与より17%高い。
■ ゴルフをするビジネスパーソンのうち、80%が「ゴルフは新しい仕事先との関係構築に役立つ」、93%が「ゴルフは仕事上の関係者との親しい関係を築くことに役立つ」と回答。
一方でゴルフ否定派の意見もあり、ある論文※2によると、ゴルフには仕事におけるネガティブな影響があるとして、以下のような結論を導いています。
■ 年間で22ラウンド以上をプレーする社長の会社の業績と事業価値は相対的に低い。
■ 社長が会社の株主であったり、社長の報酬が会社のパフォーマンスに連動する形態をとっていたりと会社の業績を上げる強いインセンティブが社長にある場合は、あまりゴルフをしない。
さて、どちらが正しいのでしょう? ゴルフ肯定派の回答は「ゴルフをするビジネスパーソン」によるものなので、ゴルフをしないビジネスパーソンは違う意見かもしれません。また、ゴルフ否定派の論文は「ゴルフ≒余暇」と捉えているようで、「本来は休みであるはずの週末に、仕事の関係者とゴルフをしている場合はどうなのか?」といった点には言及していません。
前述したゴルフ場経営者である知人も、「平日には日本人はほとんどおらず、いたとしても旅行客と思しき一部の人たち」と言っていました。そんなこんなで、ゴルフの仕事への効果は未知数と言えそうです。
※1 出所:『Forbes』公式WEBサイト「Golfers Make Better Business Executives(2016)」
※2 出所:Biggerstaff, L., Cicero, D. C., & Puckett, A.(2017). FORE! An analysis of CEO shirking. Management Science, 63(7), 2302-2322.
Biz Wings
CEO & Founder
倉地 準之輔 氏
監査法人、外資系企業勤務を経て2013年来タイ。2015年にBizWings (Thailand)Co., Ltd.を設立。在タイの複数公的機関でアドバイザーを務める。公認会計士(日本)。経営学博士(DBA)。
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Website : http://www.bizwings.co
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