Vol.11 ベトナムにおいて重要な 手当制度設計の3ヵ条

ArayZ No.104 2020年8月発行

ArayZ No.104 2020年8月発行タイ現地化4.0 - コロナ禍とその後を生き残る、生産性高い組織の作り方

この記事の掲載号をPDFでダウンロード

ダウンロードページへ

掲載号のページにて会員ログイン後、ダウンロードが可能になります。ダウンロードができない場合は、お手数ですが、[email protected] までご連絡ください。

Vol.11 ベトナムにおいて重要な 手当制度設計の3ヵ条

公開日 2020.08.10

 一口に手当と言ってもその支給背景は様々です。今回は、ベトナムにおいて手当制度を整備する上で重要な3ヵ条をお伝えします。

① 生活配慮目的の手当は一律支給 物価に応じた見直しも必要

 昼食手当や通勤手当、住宅手当といった生活配慮目的の手当は職位・職能によって変動せず、生活物価状況を踏まえて全社員へ同額を一律支給することで、社員から理解が得られます。ただし、物価の変動に応じて毎年見直しをかける必要があります。

 通勤手当に関しては、郊外のオフィス・工場では通勤距離に応じて支給額を変動させ、市内のオフィスでは固定額の一律支給が一般的です。

② 職位・職能に応じて支給額を査定 ただし基準の明示が大前提

 役職や言語能力、資格・技能に基づく手当は、その職位・職能を保有する社員のレベルや難易度に応じて変化を付け、向上意欲を後押しするのが一般的です。

 例えば、リーダーとスーパーバイザーの役職手当は異なりますし、日本語能力試験N3とN2レベルの社員では言語能力手当に差が生じるのも当然です。

 もちろん、支給額の違いが生まれる根拠を論理的に説明できないと、社員から不信を買うことになります。例えば、言語能力のレベルに応じた額など、基準の明示が大前提です。

③ 業務上掛かる経費に対する手当は負担が発生している職種のみ支給

 携帯電話料金やガソリン代の支給は、業務上掛かる費用の実費補完という側面があります。 

 ただ、個人用の携帯電話やバイクを利用していない社員にも一律支給しているケースが稀にあります。それらを所持している社員から見れば、所持していない社員はお小遣い的収入を得ていることになります。そうなると、〝自分は実費に見合った額しか貰えていない〟と、本来の手当の意図を曲解しかねません。

 従って、支給は実際に持ち出しが発生している部門に限定し、支給意図と実際の支給額との整合性を取ることが重要です。

寄稿者プロフィール
  • 長浜 みぎわ プロフィール写真
  • ICONIC Co., Ltd.取締役
    組織人事コンサルティング部統括部長 賃金管理士
    長浜 みぎわ

    ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。07年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。10年、ICONIC取締役に就任。

  • ICONIC Co., Ltd. ロゴマーク
  • ICONIC Co., Ltd.
    代表 : 安倉 宏明 ( Yasukura Hiroaki )

    設立 : 2008年5月

    TEL : (+84)28-3821-5122(ベトナム)

    URL : iconicjob.jp

    10F Citilight Tower, 45 Vo Thi Sau, Dist 1, Ho Chi Minh, Vietnam

ICONICグループは「人材サービスでグローバル化する社会を豊かにする」というミッションのもと、2008年にベトナムで創業し、現在は5ヵ国7拠点にてグローバル人材事業を展開しております。メイン事業はASEAN各国現地での人材紹介事業と組織人事コンサルティング事業。そして14年よりベトナムを中心に現地人材および、海外で働きたい日本人向けの転職サイト『iconicJob』を、19年に『iconicHRbase』をスタートいたしました。

\こちらも合わせて読みたい/

ベトナムで人事制度を円滑に 設計、運用するポイントとは

ArayZ No.104 2020年8月発行

ArayZ No.104 2020年8月発行タイ現地化4.0 - コロナ禍とその後を生き残る、生産性高い組織の作り方

ダウンロードページへ

掲載号のページにて会員ログイン後、ダウンロードが可能になります。ダウンロードができない場合は、お手数ですが、[email protected] までご連絡ください。

THAIBIZ編集部

Recommend オススメ記事

Recent 新着記事

Ranking ランキング

TOP

SHARE