駐在員と企業にリスクをもたらす“ドライバー問題”の解決へ 〜新基準に挑むDriveZ

THAIBIZ No.170 2026年2月発行

THAIBIZ No.170 2026年2月発行どうなる?変わるタイ経済2026

この記事の掲載号をPDFでダウンロード

最新記事やイベント情報はメールマガジンで毎日配信中

駐在員と企業にリスクをもたらす“ドライバー問題”の解決へ 〜新基準に挑むDriveZ

公開日 2026.02.10 Sponsored

「また遅刻」「急ブレーキが多い」「アナログな勤怠管理から脱却できない」—駐在員や管理部門の時間を奪い、ストレスを生み続けるカンパニーカーのドライバー問題。放置すれば、企業の生産性や信用だけでなく、「人の命」にも影響しかねない。

この課題に真正面から取り組むのが、テクノロジーを活用したドライバー派遣サービス「DDash(ディーダッシュ)」を提供するDriveZ(ドライブゼット)だ。本稿では、DriveZの市原暁CEOと、DDash導入によってドライバー問題の改善に着手しているキヤノンハイテックタイランド(以下、CHT)人事・総務部門の川崎陽平氏に話を聞き、企業が実践できる有効な解決策を探る。

駐在員・企業が直面するドライバー問題

一般的に在タイ日本人駐在員には、業務上の移動手段としてカンパニーカーが割り当てられ、タイ人の専属ドライバーが付く。毎朝、居住するコンドミニアムの駐車場で車に乗り込み、職場へ向かう−彼らにとって車とドライバーは、「仕事をするためになくてはならない存在」だ。

一方で、ドライバーの遅刻や危険運転、不正行為、アナログな勤怠管理など、駐在員や企業を取り巻く「ドライバー問題」は多岐にわたる。

「例えば、紙に手書きで勤務時間や走行ルートを書き込み、駐在員がサインするといったアナログな勤怠管理は、管理の非効率化を招くだけでなく、不正の温床にもなりかねない。『前任者から引き継いだやり方だから』と疑問を持たないままサインを続けた結果、不正に巻き込まれていたというケースは決して珍しくない」と、市原CEOは警鐘を鳴らす。

ドライバーの質に関する課題も深刻だ。「ドライバーの寝坊で出勤できなかった」「危険運転で怖い思いをした」など、利用者からの報告を受けて、企業の管理部門が初めて問題を把握するケースが多い。同CEOは「さらに、管理部門が派遣会社に問題を報告しても、『注意喚起にとどまり、改善につながらない』という声をよく聞く」と実態を明かし、「根本的な課題は、どのような問題が生じているのかが可視化されていないため、適切な対処ができないことだ」と指摘する。

CHTがDDashを導入した理由

こうした問題の一部は、以前のCHTでも実際に起きていた。川崎氏は「管理部門として最優先すべきは『人の命を守ること』だ。しかし、危険運転による衝突事故やドライバーの飲酒運転といった、命に直結する問題が発生しても、これまでの派遣会社の中には深刻な問題として受け止めてくれない会社も存在した」と語る。

さらに同氏は、「一般的に、タイと日本では交通安全に対する意識が大きく異なる。実際、ドライバーにアルコール検査の陽性反応が出た際、派遣会社側から開き直るような態度を取られ、考え方の違いを痛感したことがある。ただ、命に関わる問題を単なる意識・文化の違いで済ませるべきではないと思った」と、当時を振り返った。

安全性の問題に加え、非効率なアナログ管理、ドライバーの遅刻による仕事への影響などに対する強い危機感を背景に、同社はアユタヤ工場およびコラート工場で勤務する約50人の日本人駐在員を対象に、昨年4月からDDashを導入。「質の高い安全運転管理システム」および「有事の際のバックアップ体制」が、導入の大きな決め手になったという。

データにもとづく徹底管理で、問題を未然に防ぐ

DDashは、モバイルアプリケーションと人工知能(AI)を活用したドライバー派遣サービスだ。勤怠や走行データをシステムで管理することで、アナログ管理や不正行為からの脱却を実現している。最大の特徴は、徹底したモニタリングを可能にするシステムと、質の高いドライバーをセットで提供している点である。

ドライバーの起床から移動、現場到着、運転中までを監視し、必要に応じて状況確認・改善指導を行う体制を整えている。市原CEOは「遅刻や欠勤の可能性が生じた段階で、待機している代替ドライバーを自動的に派遣するなど、あらかじめ顧客企業とすり合わせた対応をとる」と説明する。

代替ドライバーの派遣時には、利用者にドライバー詳細情報がSMSで自動送信され、運行のミスコミュニケーションも回避。こうした他社にはない独自の仕組みにより、「出発時間になってもドライバーが来ないため出勤できない」といった事態を未然に防いでいる。

さらにDDashでは、エグゼクティブの送迎経験を持ち、適性評価やデジタル対応、実務に関する各種試験をクリアしたドライバーのみを採用している。運転状況は常時監視され、スコアが一定基準を下回った場合には改善を求められる。こうしたDDashの運用体制を理解し、納得したドライバーが業務に就くことで、「安心・安全」な乗車体験を安定的に提供できる体制を構築している

※モニタリング数値やスコアは顧客企業には提供せず、サービス改善のためDriveZ内部で活用。

DDashで大きく変わったドライバー派遣の現場

導入後の変化について、川崎氏は「ドライバーの勤怠管理では、紙によるチェック作業とその後の手入力作業が不要になり、管理部門の業務効率は向上し、人的ミスも激減した」と説明。

さらに、「ドライバーの寝坊や遅刻に対しても、ドライバーの代替手配や、近隣に住む当社駐在員との乗り合いなど、変更が生じる場合にはDriveZの担当者から事前に連絡が入るため、ドライバー不在により出発できない事案はなくなった」と、新しい仕組み・運営体制を評価した。

最重要課題であった「安全面」についても、同氏は高く評価している。これまでは、利用者から危険運転の報告があっても、派遣会社やドライバー本人との認識に齟齬が生じることがあった。しかし、DriveZの安全管理体制下では、全ての運転データが記録されるため、申告内容を客観的に検証できる。

これにより、是正指導やドライバー交代を迅速に行うことが可能となり、危険運転の抑制につながっているという。「大切な社員の命を預けるドライバーだからこそ、不安要素は一つでもあってはならない。引き続きさらなる安全性の向上を目指し、契約する派遣会社と連携を強めていきたい」と、同氏は語った。

タイの交通安全への意識を変える

CHTでは、コンプライアンスと安全面の観点から、ドライバーに対してもタイの法律である「週36時間超の残業禁止」「週1日の休日」を徹底している。そのため、休日のプライベート利用においては、平日の契約ドライバーとは別のドライバーを別途アサインしており、こうしたスポット利用にも対応できるよう、DDashでは現在システムの改善を進めているという。

川崎氏は「人の命を守るという大使命を、いかにして果たすか。これは企業の管理部門に共通する課題だ。当社では、タイ人社員が通退勤で運転しない場合でも、運転の機会がある人には免許取得を奨励し、そのための支援を行っている。こうした取り組みを粘り強く続けることが、タイの交通安全意識の変化につながると信じている」と期待を示した。

最後に市原CEOは「駐在員にとってドライバーはインフラだ。安全性、効率性、公平性、安定性—そのすべてに妥協せず、これからも企業の皆さまと共に改善を重ねていきたい」と展望を語った。

THAIBIZ編集部
白井恵里子

THAIBIZ No.170 2026年2月発行

THAIBIZ No.170 2026年2月発行どうなる?変わるタイ経済2026

この記事の掲載号をPDFでダウンロード

最新記事やイベント情報はメールマガジンで毎日配信中

Recommend オススメ記事

Recent 新着記事

Ranking ランキング

TOP

SHARE