

カテゴリー: 特集
公開日 2023.12.10
中国からタイへの投資が近年高水準で推移している。どういった内容の投資案件が多いかを見ていく。タイ投資委員会(BOI)が分類する最も大きな投資規模のカテゴリーに当たる20億バーツ以上の投資事例から見ていくと、中国からタイへの大型投資は図表1にあるとおり、そのほとんどは電気自動車関係の投資である。一方で日本からタイへの大型投資は図表2にあるとおり、自動車分野を中心としながらも、化学、電気電子分野と多角化しはじめている。


BOIナリット・タートサティーラサック長官は2023年10月11日に、修正済みの5つの戦略産業と重要な課題を発表した(図表3)。これらは2024年から2027年までの4年間の投資促進政策の中核として位置づけられる予定である。
この戦略が示す通り、タイが投資を促進する産業とその分野は多岐にわたる。日本企業は、これらの産業とその分野で幅広く投資を進めている。例えばBCG分野ではタイで生産されるサトウキビ由来の糖を活用した繊維や食品の原料製造の展開、デジタル&創造分野では、データセンターの設立やArayZ11月号掲載のとおり日本のスタートアップのタイ展開が進み、タイの産業のデジタル化へ貢献をしている。また、地域統括本部および国際ビジネスセンターの分野は、JETROで昨年、今年と実施をした地域統括拠点に関するセミナーは活況を呈し、BOIの地域統括拠点に関する制度であるInternational Business Center(IBC)を活用する企業は日本企業が一番多く、その数は増加傾向にある。
これらが示す通り、日本企業はタイの持続可能な産業発展とインダストリー4.0への産業変革のために、タイ政府が戦略的に投資を促進する産業とその分野において多角的に投資を進めている。

ジェトロバンコク事務所

投資促進部長亀田 周
2009年ジェトロ入構。東京本部、福島事務所、ジャカルタ事務所を経て、2022年11月よりバンコク事務所にて日本企業のタイへの貿易投資全般のサポート業務を実施。


THAIBIZ編集部





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