ArayZ No.74 2018年2月発行タイ投資奨励制度 最新版BOI
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カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2018.02.22
海外投資を背景に成長してきたタイですが、ここ数年間に目を向けると大洪水や政治的内部対立、軍事クーデターなどの影響もあり経済の成長力は鈍化傾向にありました。しかし、2016年の実質GDP成長率は+3・2%と直近の数年間では最高の伸び率となりました。2017年についてもタイ経済成長率の見通しは+3・0%~4・0%になると見られ、この傾向は今後も続くと予想されます。
今回取り上げる工業セクターは、現在タイ国政府が経済政策として進めるタイランド4・0に関連し、今後のタイのさらなる工業化、高付加価値化をしていく上で重要なセクターになると考えられます。そこで、工業セクターの「機械・製紙」と「鉄鋼・スチール」に焦点を当て、メインプレーヤーやマーケットの規模感、直近3期間の比較による市場の動向を見ていきます。
機械・製紙分野は、直近の3期間では若干の売上減少傾向があります。この分野は①特に中国メーカーの生産キャパシティの高さと価格の低さにより激しい競争状況にあること、②製品の原価率が全体的に高いこと、③製品製造に使う金属等の材料価格の変動が業績に大きな影響を与えること、④海外からの材料仕入などにより為替変動が業績に影響を与えること、という点が特徴として挙げられます。そのため、多くの企業では製品の差別化や生産設備への投資による製造原価削減などにより、価格競争の回避や利益率の改善といったの対策をしています。
鉄鋼・スチール分野は、業績が伸びている会社もいくつかありますが、全体的には、ほぼ横ばいの状態になっています。この分野は、材料となる金属の価格変動や材料の輸出入にかかる為替変動が業績に大きく影響を与える分野であるため、製品の単純な需要だけでなく、タイ国の経済力(タイバーツの購買力)や世界全体の資源の需給が影響し、不確実性が高い分野と言えるでしょう。そのため、金属先物取引や為替予約などによりヘッジ会計を適用し、不確実性への対処をしている企業もあります。
※ランキングは、SETに上場している企業のセクター別売上額を基準にしています。
※本資料は情報提供を唯一の目的としており、予測・分析の妥当性などは独自でご判断ください。
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THAIBIZ編集部
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