ArayZ No.81 2018年9月発行変化を遂げるASEAN~優位性と課題を探る
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カテゴリー: 組織・人事
公開日 2018.09.25
藤波純
Marsh PB Co., Ltd.
1995年から日系保険会社に勤務。2006年、マーシュジャパン株式会社に入社し、15年よりJapan Client ServicesとしてMarsh LLCタイ法人であるMarsh PB Co., Ltd.に勤務。日系企業開拓や、日系クライアントへのサービス提供に従事している。
下川 職業柄、様々な企業の福利厚生を把握していますが、内容が手厚いのはやはり欧米企業です。当然ながら「給与は安くても福利厚生は充実している」企業よりも、「給与が高くて福利厚生も充実している」企業に人気が集まります。
藤波 欧米系グローバル企業では、従業員向けに手厚い医療保険を手配していることも多いです。欧米では企業が保険を調達する際、当社のような保険仲介業者(ブローカー)を使うケースが一般的です。グローバルベースでブローカーを通じて保険プログラムの見直しを行い、無駄のない保険プログラムをグローバルで契約するケースもあります。
下川 グローバルで契約すれば、スケールメリットが得られることもあるということですか?
藤波 全体の損害実績などにもよりますが、スケールメリットがあるケースは多いです。大きなグループ企業が各国各社毎に保障内容や見積りのやっていては、お互いに非効率ですよね。保険会社としても、バラバラに見積りの比較検討を行っていては非効率でガバナンスも効きません。保険会社としても、個々に見積りを作成するよりも一気に全社分まとめて見積りできるほうが負担が軽くて済みますから、それも保険料削減要因になり得ると考えられます。
ブローカーは、顧客企業のニーズに合った保障内容の見積り取得のため保険会社と交渉しているので、保険会社各社の商品や見積り内容を適切に比較することができます。
下川 グローバル企業は、社内の保険制度を国をまたいで統一しているケースがあるということですね。
藤波 国によって保険の制度や法律、従業員に与えるベネフィット水準は異なることも多いため、実際には、世界中すべての拠点で同じ保険制度を取り入れて統一するには難しい点があります。ただ企業本社がコントロールしながら、各国の拠点で手配されるベネフィット水準の基準を設けてガバナンスを効かせているケースもあり、企業グループ全体のコストという面では、少なくともタイ国内に複数拠点がある企業に関しては、一括して見積りを取得したほうがコスト削減につながることが多いです。日本でも保険ブローカーを起用するケースは増えており、当社グループ法人でも多くの企業にサービスを提供させていただいています。
下川 マーシュは世界中に拠点があるので、できる限り福利厚生制度を統一したり、保障内容の拡充やコストメリットを追求したいグローバル企業には心強いですよね。前編でのお話にもありましたが、企業が従業員に福利厚生として与える医療保障制度には、従業員のプライバシー確保やコンプライアンスの問題など様々な課題があるのも事実。企業ガバナンスが叫ばれる今、会社と組織にとって本当に適切な保険を選んでいるか見直すべきタイミングが来ているのかもしれません。
下川ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
日系チーム チーム・マネージャー
立教大学卒業。大手人材紹介会社の東京本社で経験後、2009年に来タイ。以来、在タイ日系企業への人材紹介に従事。顧客企業の組織発展のための採用支援を得意とし尽力している。
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THAIBIZ編集部
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