カテゴリー: 組織・人事
公開日 2019.01.22
楠本浩史
TOYOTA TSUSHO NEXTY ELECTRONICS (THAILAND) CO., LTD.
大学卒業後、日本で通信系事業会社に入社し、管理業務を約4年経験。その後、欧州でMBAを取得し、日本へ帰国。人事業務(採用、育成、MBO運用等)を約2年経験後、現在の会社に2007年に入社。人事管理・企画業務を一通り経験し、現在は人事総務部門の責任者を務めている。
下川 辞めにくい人材を如何にして採用していますか。
楠本 採用は往々にして見えないコストです。一人を採用し、育成しても辞められてしまうと、徒労に終わります。例えば、人材エージェントに支払う費用だけでなく、離職後の手続き、後任候補の面接、入社前後の事務などの工数、オリエンテーション、配属後の現場での教育など、事業部門は「辞められると後任を採用するまでコストがかかる」という意識を持つことが辞めない人材採用の第一歩です。
その観点から、辞めない人材を如何にして採用するかを考える必要があります。まずは採用のプロセスがどのようになっているのか、会社として求められる人材と、その採用基準が明確になっているかを振り返る必要があります。
また、採用の主担当者は人事部門であることは間違いないですが、自分の部下となる人材を採用する立場の事業部門に協力してもらう必要があります。人事部門は採用のノウハウはありますが、事業部門が求める人材の採用と乖離してしまうケースが多々あります。両者の観点をうまく組み合わせ、採用のミスマッチをなくすことが離職率の低減につながると思います。
人が人を評価し、採否を決めるわけですから、ある程度の先入観にとらわれることは回避できません。 ちなみに、当社の2017年度の離職率は9%程度で、ミスマッチがゼロというわけではありません。まだ始めたばかりですが、過去の人事データを解析し、辞めにくい人材に共通する因子を導きだし、それを基に採用をすすめようとする取り組みを行っています。日本でもトレンドの「ピープルアナリティクス(人材データを分析・可視化して将来に活かす)」です。自部門に解析の専門家もいないので、色々と試行錯誤の最中ですが、デジタル(データ解析の客観性)とアナログ(経験値と勘)の主観性を組み合わせ、採用の質を向上させようと考えています。
ただ、多くの日系企業は採用に多くの時間とコストを割く余裕がありません。日本人の人事担当者はおらず、社長もしくは経理担当者が兼任して、手探りでやっているのが現状です。
(ArayZ3月号に続く)
下川ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
日系チーム チーム・マネージャー
立教大学卒業。大手人材紹介会社の東京本社で経験後、2009年に来タイ。以来、在タイ日系企業への人材紹介に従事。顧客企業の組織発展のための採用支援を得意とし尽力している。
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