個人所得税の対象となる福利厚生

THAIBIZ No.169 2026年1月発行

THAIBIZ No.169 2026年1月発行米中対立の今、タイが選ばれる理由 〜WHAの新・共創戦略〜

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個人所得税の対象となる福利厚生

公開日 2026.01.09

タイの個人所得税は、日本と同様に1〜12月の暦年を基に計算されます。毎年3月末が確定申告・納税の期限ですが、会社から支給される給与、ボーナスだけが個人所得税の対象とは限りません。

会社によっては従業員へ様々な福利厚生を用意しており、そのうちどこまでが従業員にとって個人所得税の課税対象になるか判断が難しいものもあります。タイの税法は、基本的に労働の対価として支払われるものは全て課税所得としていますが、例外も定められているためです。

今回は、ご質問をいただくことの多い福利厚生に関する個人所得税の取扱いをご説明します。

個人所得税の対象となる福利厚生

(1)通勤手当

通勤手当の名目であっても、自宅からオフィスまでの通勤に関する手当は課税所得に含める必要があります。一般的にタイでは、自宅からオフィスへの通勤が業務外であると見なされているためです。

一方で、自宅からオフィス以外の現場に直行または直帰した場合の交通費を実費精算した場合には課税所得とはなりません。

(2)家賃補助

家賃補助として現金支給を行なっている場合、または会社が社員の代わりにコンドミニアムやアパートを借り上げている場合ともに課税所得となります。また、会社が社員寮などを保有し福利厚生の一環として従業員が無料で居住している場合は、その相場家賃分が課税所得とされます。

(3)教育費手当

日本人学校などの学費に関して手当を出す会社も多いですが、教育費手当は課税所得に含める必要があります。

(4)出張手当

出張手当は図表1の金額までは非課税であり、超過分については課税所得に含める必要があります。なお、税務調査などに対応するため、出張に行った実績を確認できる資料を確保、保管しておくことが有効です。

出所:J Glocal Accounting作成

(5)会社負担の医療費

会社が福利厚生として従業員のタイ国内の医療費を負担する場合には課税所得に含める必要はありません。ただし、注意しなくてはならないのは基本的に全従業員を対象としている場合にのみ非課税となる点です。駐在員のみなど特定の従業員向けであれば、当該従業員の課税所得に含めて計算する必要があります。

(6)VISA、労働許可証取得のための費用

一般的に、駐在員自身のVISA、労働許可証取得のための費用(エージェントへのフィーなど)は業務に必要な費用と考えられ課税所得に含めません。一方で帯同家族用のVISAに関する費用については福利厚生の一環であり、課税所得と見なされる可能性が高いです。

>>本連載「タイの税金事情」の記事一覧はこちら

J Glocal Accounting Co., Ltd. Managing Director

坂田 竜一 氏

バンコク在住。2007年大学卒業と同時に、東京の流動化・証券化に特化した会計事務所に就職。その後、バンコクの大手日系会計事務所で5年間、日系金融機関ほか日系企業の会計・税務、監査業務に従事。税務当局との折衝やDD業務を現地スタッフを介さずにタイ語で対応。2013年12月 J Glocal Accounting 設立。タイにおける会計・税務の専門家として、日系企業へのサポートを行っている。

J Glocal Accounting Co., Ltd.

Website : http://jga.asia/

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