
カテゴリー: 会計・法務
連載: 聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情 - J Glocal Accounting
公開日 2026.07.10
海外出張からタイに戻ってきて経費精算するとき、どの為替レートでバーツ換算すればよいか困ったことはないでしょうか。
例
タイ法人で働くAさんは、6月8日~15日にかけて出張で日本に行きました。日本で支払った費用を、6月16日にタイ法人で経費精算しました。
今回は、個人の経費精算における外貨換算のルールについてご説明します。

歳入法典第65の2条(5)(b)と歳入局命令No. Por 132/2548によると、外貨建て取引は受領日または支払日の市場相場でバーツ換算すると定められています。Aさんのケースでは、6月8日に日本で1万円の交通費を支払ったとすると、6月8日時点のレートを使ってバーツ換算します。タイに戻って経費精算する6月16日のレートではない、という点に注意が必要です。
歳入局命令No. Por 132/2548の第3項では、受領日または支払日の市場相場として次のいずれかのレートを用いることを認めています。
・タイ商業銀行が日々公表するレート
・タイ中央銀行が日々公表する参照レート(通称「BOTレート」)
商業銀行レートだと銀行ごとに差が出てしまう、税務調査の際になぜその商業銀行レートを使用するのか説明が必要になるといった理由により、実務上はBOTレートを使用することが一般的です。
銀行の為替レートには、①外貨を買うときのレート(Buyingレート)、②外貨を売るときのレート(Sellingレート)がありますが、税法上、資産であれば①Buyingレート、負債であれば②Sellingレートを適用します。日本で発生した費用をタイ法人が経費計上するというのは、タイ法人にとっては負債性の取引なので、②Sellingレートを使ってバーツ換算します。
「6月8日時点のレート」で当日清算する場合、具体的にどの日付のレートを使用するのでしょうか。BOTの当日レートが発表されるのは夕方以降が多いため、当日中に会計処理または経費精算を行う際には当日レートを確認できない場合があり、前営業日のBOTレートを使用してバーツ換算することが一般的です。したがって、実務上は6月8日時点で入手できる6月7日のレートを使ってバーツ換算します。
BOTレートが当日営業時間内に入手できたとしても、今まで前営業日レートを使用しているのであれば、継続性の観点から引き続き前営業日レートでバーツ換算することが必要です。なお、BOTレートはこちら(タイ中央銀行 外国為替日次レート)から確認できます。

J Glocal Accounting Co., Ltd.
Managing Director
坂田 竜一 氏
バンコク在住。2007年大学卒業と同時に、東京の流動化・証券化に特化した会計事務所に就職。その後、バンコクの大手日系会計事務所で5年間、日系金融機関ほか日系企業の会計・税務、監査業務に従事。税務当局との折衝やDD業務を現地スタッフを介さずにタイ語で対応。2013年12月 J Glocal Accounting 設立。タイにおける会計・税務の専門家として、日系企業へのサポートを行っている。
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Website : http://jga.asia/


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