THAIBIZ No.166 2025年10月発行廃タイヤが未来を動かす ー 阪和タイランド×パイロエナジーの資源循環戦略
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公開日 2025.10.10 Sponsored
業務アプリがつくれるノーコード・ローコードツール「Kintone(キントーン)」を開発・展開するサイボウズ株式会社(以下、サイボウズ)と同社のタイ法人Kintone(Thailand)Co., Ltd.(以下、Kintone Thailand)は9月3日、「Kintone Day Bangkok」を開催した。
同イベントでは「AI NEXTREAM〜タイのKAIZENに新しい風〜」をテーマに、Kintoneに新たに搭載された人工知能(AI)機能の活用方法や、在タイ日系企業の業務改善事例が紹介された。在タイ日系企業や地場企業の日本人、タイ人ら約400名が一堂に会し、会場は熱気に包まれた。
目次
第一部では、サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏が基調講演に登壇。青野氏は大手メーカー勤務時代に情報システム開発の難しさに直面した経験を振り返り、「現場の人たちが自分たちのためのシステムを自分たちでつくれる社会を実現したい」という想いを抱き、サイボウズを創業。やがてノーコードで業務アプリを構築できる「Kintone」が誕生した。
Kintoneの最大の特徴は、プログラミングの専門知識がなくても、クラウド上でアプリを開発できる点だ。Kintoneには「データベース」「コミュニケーション」「プロセス管理」の3つの機能が備わっており、「この3つで社内業務の8割はカバーできる」と同氏は説明する。
現在、導入実績は4万社を超え、東証プライム上場企業の47%が導入。グローバル展開も加速しており、東南アジアでは導入企業が1,380社にのぼる。その中でもタイは、多くの日系企業が進出し、業務改善文化が根付いている。
一方で、デジタル活用は発展途上にある。こうした状況を踏まえ、同氏は「タイのKAIZENに新しい風を吹き込み、デジタルツールで改善を加速させていきたい」と力を込めた。
さらに同氏は急速に進化するAIについて言及。「検索や予測に強い従来型AIに比べ、生成AIは新しい表現を生み出せる点が大きな違いだ 」と説明した上で、Kintoneに新たに導入される3つのAI機能を発表した。
1つ目は、アプリに蓄積したデータと生成AIを組み合わせ、より効率的なデータ活用を支援する「検索AI」。2つ目は、指示に応じて必要な業務アプリを自動生成する「アプリ作成AI」。そして3つ目は操作方法をサポートする「サポートAI」だ。これらのAI機能により、より直感的で効率的な業務改善が可能になる。
続くパネルディスカッションでは、変革期を迎えるタイでの人材獲得や働き方、デジタルトランスフォーメーション(DX)やAIとの関わりについて議論が展開された。
在タイ日系企業における優秀な人材の獲得や定着率の課題に対して、メディエーターCEOのガンタトーン・ワンナワス氏は、優秀な人材は大手タイ企業に集中し、中小企業や日系企業には集まりにくいタイの現状を指摘。「2〜3年で転職を繰り返すことでキャリアを形成する」といったタイの文化的背景についても解説した。
Kintone ThailandのManaging Directorナミヤ・ワユパブ氏も「タイ人は仲間との関係を重んじ、ウェットなコミュニケーションを好む」とタイ人の仕事観を補足した。
青野氏は、かつて離職率が高かった自社の経験をもとに「社員の不満を繰り返し聞き取り、100人100通りの働き方を尊重することで離職率を28%から5%まで下げることができた」と説明した。
これに対し、ガンタトーン氏は「サイボウズの文化は日本的な上下関係に縛られずフラットであり、Kintoneが社内の意見交換の場としてうまく機能している」と評価。青野氏も「ツールはあくまでツール。組織風土を一緒につくることで相乗効果が生まれる」と応じた。
さらに企業におけるAI導入について、青野氏は「生成AIは学習データがあってこそ賢くなる。まずはデジタルデータを蓄積し、業務フローを見直していく。そこではじめて生成AIが活躍する下地ができる」と強調。
「DXやAI導入はスモールスタートとアジャイルな進め方が成功の鍵であり、改善を継続的に進めるためには技術面や他社事例に精通した伴走パートナーの存在も欠かせない。その上で社内にDXの輪を広げていくことで、加速度的に組織は変わっていく」と締めくくった。
第二部では、タイ語と日本語それぞれの会場に分かれてユーザー事例が紹介された。
日本語セッションでは、まずMU Research and Consulting(Thailand)Co., Ltd.のManaging Director池上一希氏が登壇。「タイ経済の低迷を背景に日系企業では収益性改善が課題となる中、DXによる業務改善がトレンドとなっている」と市場環境を概観した。
同社では煩雑な承認業務やプロジェクト管理にKintoneを導入し、ペーパーレス化と10〜15%の工数削減を実現。コミュニケーションツールの活用で意思決定のスピードも大幅に向上したという。
続いてZOJIRUSHI SE ASIA CORPORATION LTD.のDirector / General Manager (Administration)の奥山雅史氏は、Kintone導入時の反対派のタイ人スタッフを巻き込む秘訣として、「協力者となるキーパーソンの存在」を強調した。
日本人駐在員とキーパーソンが理想像を共有し、徐々に周囲を巻き込んでいったことで、約1年かけて改善が浸透。その結果、残業時間は4分の1に減少、年間約140万バーツの残業コスト削減にもつながった。
同セッション最後に登壇したKOBELCO SOUTH EAST ASIA LTD.のSenior IT Manager糸数聡氏は、海外拠点のDX格差を解消する取り組みを発表。「統括拠点であるわれわれがまずKintoneを活用して積極的に改善活動を行った」とし、「非IT担当者も業務アプリをつくれる体制を整え、効果が得られたアプリはテンプレート化し、グループ全体に展開予定だ」と将来展望を語った。
タイ語セッションでは、ZOJIRUSHI SE ASIA CORPORATION LTD.で導入時のキーパーソンとなったワンラパ・チャナチャイ氏が、「Kintone導入を通じて業務改善だけでなく社員の意識が変化した。手作りマニュアルやワークショップで理解を深め、自発的にアプリ作成や改善に取り組む文化が生まれた」と自身の体験談を明かした。
同イベントは、単なる製品紹介にとどまらず、タイの文化的背景を踏まえながらDXやAIが働き方や組織文化に与える影響を考えさせる場となった。
また会場では、KintoneのAI機能や連携サービスを体験できるデモンストレーションやパートナー企業ブースが設置され、来場者が自社の課題に即したアドバイスを受ける光景も見られた。
日々の業務課題に悩む企業は、どのような解決方法があるのか、まずはKintone Thailandに相談してみてはいかがだろうか。経験豊富な専門スタッフが、貴社の課題に合わせた最適なソリューションを提案し、成功への道筋をサポートしてくれる。
Kintone (Thailand)Co., Ltd.
Kintone(Thailand)は、サイボウズ株式会社のタイ駐在員事務所として設立され、2024年に法人化。誰にでも使いやすいノーコードツール「Kintone」を通じて、煩雑でコストのかかる業務のデジタル化を支援します。日本語・タイ語対応でサポートも充実。信頼できるパートナーとともに、タイ全土で企業の業務プロセスの改善に貢献しています。
THAIBIZ編集部
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