
カテゴリー: 会計・法務
連載: 知らなきゃ損する!タイビジネス法務 - GVA / TNY法律事務所
公開日 2026.03.10
タイにおいて外国人が就労する場合には通常、事前にワークパーミット(労働許可)を取得する必要がある。しかし、内部監査や品質検査、機械の突発的な故障対応など「必要・緊急・特別な業務」に該当する場合には、労働許可証の取得に代えて緊急業務届(WP. 34)を提出することにより、最長15日間の業務遂行が可能となっている。以下、緊急業務届の届出内容や方法について解説する。

緊急業務届により業務遂行が認められる業種は以下のとおりである。
1.会議、トレーニング、またはセミナーの開催
2.特別学術講演
3.航空管理
4.内部監査
5.フォローアップ作業および技術的な問題解決作業
6.製品または商品の品質検査
7.生産工程の検査または改善作業
8.機械および発電設備の点検または修理作業
9.機械の修理または設置作業
10.電車システムの技術的作業
11.航空機または航空設備の技術的作業
12.機械修理または機械制御システムのコンサルテーション
13.機械のデモンストレーションおよびテスト
14.映画または写真の撮影
15.国外での就労者を送り出すための就労希望者の選定作業
16.国外での就労者を送り出すための技能者の試験
緊急業務届に関するガイドラインによれば、緊急業務届を用いて、外国人の受け入れ先となることができる者は、①(個人形態の)雇用主、②(法人形態の)雇用主、③政府機関、④雇用主が存在しない場合(サービス契約書や売買契約書等により必要性を証明できる場合)—である。
重要なのは、緊急業務届により外国人を受け入れることができるのは必ずしも雇用契約上の雇用主に限定されないという点である。例えば、タイ法人X社が日本法人Y社製の機械を購入し、その修理のためにY社のエンジニアを招聘する場合、X社自身で緊急業務届を提出することが可能だ。
現在、緊急業務届は原則としてオンライン(e-Work Permitシステム:www.eworkpermit.doe.go.th)での提出が求められている。このため、紙媒体での提出は、オンライン申請が不可能であることを立証できる場合に限定されている。また申請は、当該外国人がタイに入国してからの申請となる。
緊急業務届の作成にあたり、タイ入国日、業務内容の詳細、業務期間(開始日・終了日、15日以内)、受け入れ先の名称(会社名)などの情報が必要となる。
その他、緊急業務の理由書などの添付書類が必要となる。緊急業務の理由書では、例えば技術者派遣の場合などには、機械購入の経緯、機械の重要性、現地技術者では対応不可である点、メーカー技術者による修理の必要性、業務期間・場所等を具体的に記載することが重要である。
緊急業務届の対象となる業種は限定されているものの、うまく活用できればリスクを回避して外国人をタイに派遣することができるといえる。

TNY国際法律事務所
日本国弁護士
藤原 杯花 氏
2017年1月よりタイのTNY国際法律事務所にて執務。TNY国際法律事務所は、日本人弁護士2名が共同代表を務める法律事務所であり、会社設立から規制調査、契約書のリーガルチェック、商標登録申請、相続手続きなどのサービスを提供している。
TNY国際法律事務所
当事務所には、タイ・日本の法務に精通している日本人の弁護士がおり、事業に際しタイにおける規制や困難な側面を理解していますので安心してご相談いただけます。当事務所の経験豊富なタイ人弁護士と日本人弁護士が、手ごろな価格で、迅速かつ正確なサービスを提供致します。
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