公開日 2024.05.13
TJRIでは3月19日、タイ企業のニーズを日本企業向けに発信するオンライン説明会『Open Innovation Talk』の第24回として、画像認識・解析とロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に特化した人工知能(AI)ソフトウェア開発のスタートアップ企業、ダイナミック・インテリジェンス・アジア(DIA)に登場いただいた。同社は既存のIPカメラ(CCTV)にAIソフトウェアを導入するだけで、顔認証による入退室管理やセキュリティー上の異常検知や製造現場の管理などが可能となるソフトウェアを提供している。同社のアヌワット・チャムナン社長が事業を紹介し、日本企業との提携の可能性などをアピールした。
目次
アヌワット社長:われわれは2019年2月に創業したスタートアップ企業で、創業後8カ月で損益分岐点に達し、創業1年目から利益を上げることができた。タイ証券取引所(SET)、政府貯蓄銀行 (GSB)、NVESTベンチャーなどのベンチャーキャピタル(VC)から資金調達した。また、米マイクロソフト、中国の華為技術(ファーウェイ)などの大企業ともパートナーになっており、「マイクロソフト・ハッカソン」で優勝した。
アヌワット社長:タイでは製造業が国内総生産(GDP)のシェアで2位だ。さまざまな規模の40万以上の工場があり、大規模なサプライチェーンを構成している。しかし、多くの工場はまだ人間の労働に依存しており、効率を改善する必要がある。共通課題は、非効率的な操作手順や人手に頼った品質検査、職場の安全確保などだ。多くの企業はテクノロジーを利用しておらず、「スーパーバイザー」という人が管理しているため、まだヒューマンエラーが発生する可能性が高い。これらはわれわれの人工知能(AI)ソフトウェアで改善できる。
アヌワット社長:既存のIPカメラ(CCTV)やストリーミングデバイスなどにわれわれのソフトウェアを導入して、製造現場の管理や顔認証による入退室管理、セキュリティー上の異常検知、外観検査などユーザーの用途にあったAI自動処理が可能となるソフトウェアだ。具体的には以下のような利用方法がある。
(1)ゲートでのモニタリング:顔認証と画像認識・解析で、現場の作業員が個人用防護具(PPE)を着用しているかを確認できる。また、小売り業では来店客が購入した商品や興味がある商品の種類などの情報を収集することができる。これらの情報はマーケティングに活用できる。
(2)安全監視:侵入者があれば、最も近くにいる警備員に通報する。また、工場では許可された人のみが機械を作動できるように設定できるほか、危険ゾーンを警告し、無関係な人の立ち入りを阻止することができる。
(3)無駄な製品の削減:製品が作業手順通りに正しく組み立てられたかなどをチェックすることができ、組み立てにかかる平均時間も計測できる。また、入手したデータを分析し、作業効率を高めることも可能だ。
アヌワット社長:われわれは「DUSCAP」という「ノーコード(ソースコードの記述が必要ない)」でアプリケーションを開発できるプラットフォームを開発した。プログラミングの知識やスキルがなくても、必要な情報を入れるだけで、自由にアプリケーションを作れる。例えば、製品の写真を追加して、AIに画像を認識させ、不良品を検知できる。人的資源と作業ミスによるコストを削減できるメリットがある。ホテルや小売り、スマートシティー、医療などさまざまな種類のビジネスで利用が可能だ。
DIA社は成長段階のスタートアップ企業で、独自の技術を持っている。顧客獲得を進め、事業を拡大してきた実績を持っている。今後、さらにビジネスを拡大し、最先端のノーコードAI画像認識・解析やロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)プラットフォームを展開するための投資を求め、次のようなパートナーを募集している。
(1)当社のソリューションを利用したい企業
(2)タイを含む東南アジアで当社の事業を展開するビジネスパートナー
(3)投資機関(ベンチャーキャピタル、コーポレートベンチャーキャピタルなど)
アヌワット社長のプレゼンテーションの後、Q&Aセッションが行われた。
アヌワット社長:情報漏洩を防ぐためのさまざまな検証システムがある。また、自社では直接サイバーセキュリティーに関連するソリューションを提供していないが、マイクロソフトなどのパートナーが提供可能だ。
アヌワット社長:あるかもしれないが、タイで世界的な大企業と提携しているのはわれわれだけだ。競合相手はほとんどが海外企業だ。
THAIBIZ編集部
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