6/5[水] 村田製作所タイ法人の取り組みから学ぶ「タイの人事制度改革」 ～「なぜタイ人は日系企業を”選ぶ”のか？」第一回

タイでの人材争奪戦が激化する中で、優秀な社員の獲得は日系企業にとって喫緊の課題となっています。もはや、全体としての日系企業は、タイ人から見ればかつてのような憧れの対象ではありません。

「日本企業に勤めていることを知られたくない」「昔の日本人はもっと優秀だった」という声も聞かれます。（参考記事：なぜタイ人は日系企業を辞めるのか？）
一方で、環境変化に対して果敢に挑戦し、優れた経営をしている日系企業も多数存在します。

シリーズ第一回目となる本セミナーでは、株式会社村田製作所のタイ拠点であるMurata Electronics (Thailand) , Ltd.より内藤龍祐氏をゲストにお迎えします。
同社の主力商品である積層セラミックコンデンサ（MLCC）は、スマホやパソコン、自動車の電子制御システムの安定稼働に欠かせない部品として知られており、高い技術力と量産能力により世界トップシェアを維持しています。タイ拠点においては、MLCCをはじめとする多様な電子部品の一大生産地として6,000人を超える陣容でオペレーションを行い、現在も急速に成長中です。

同社は、現在のステージを「第二創業期」（Second Foundation）と位置づけ、今後の成長を支える組織作りのための様々な改革に取り組んでいます。
その一つの柱が、「人事制度改革」です。キーワードは「プロフェッショナル」。すべての人材が自身の責任を認識し、自発的に働き成長していくことを目指しています。具体的には、等級や評価、昇進の仕組みを見直し、運用に落とし込むことに取り組んでいます。
また、それらを実現させるために同社が常に大切にしているのが、創業者の理念が詰め込まれた「社是」です。タイ法人においても、社員の意識の拠り所として重要な役割を果たしています。

合理的な人事管理システムと、伝統的で温かみのある日本的カルチャーをどのように両立させるのか。同社の現在進行中の取り組みを参考に、「選ばれる企業」となるヒントをお持ち帰りいただければ幸いです。

こんな方におすすめ

　- 在タイ日系企業の経営者/人事責任者/担当者（日本語が理解できる方）
　- 日本からタイ法人の組織運営に関わる人事担当者　など
※人事関連サービス、コンサルティングサービスの提供会社様は参加をご遠慮いただく場合があります

スピーカー

内藤 龍祐 氏

Murata Electronics (Thailand) Ltd.
Deputy Senior Manager of Personnel section

1989年（平成元年）生まれ。福島県会津若松市出身。横浜市立大学卒業。 2012年にソニーエナジー・デバイス（株）に新卒入社。製造事業所の人事部にて、勤怠管理や給与・社会保険はじめとする事業所人事業務を一通り経験。所属していた電池事業が村田製作所に事業譲渡されたことに伴い、2017年に（株）東北村田製作所に転籍。 その後、（株）村田製作所本社グローバル人事部を経て、2022年よりタイ・ランプーン県にあるMurata Electronics (Thailand) Ltd.に赴任。会社設立以来初めてとなる人事制度の全面改定をはじめ、従業員がプロとして成果を出せる環境を実現すべく、ローカルメンバーと共に日々奮闘中。

中村 勝裕 氏　

Asian Identity Co., Ltd.　Founder ＆ CEO
株式会社アジアン・アイデンティティー 代表取締役

愛知県常滑市生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業後、ネスレ日本株式会社、株式会社リンクアンドモチベーション、株式会社グロービス、GLOBIS ASIA PACIFICを経て、タイにてAsian Identity　Co.,　Ltd.を設立。「アジア専門の人事コンサルティングファーム」としてタイ人メンバーと共に人材開発・組織開発プロジェクトに従事している。リーダー向けの執筆活動にも従事し、近著に『リーダーの悩みはすべて東洋思想で解決できる』がある。YouTubeチャンネル「ジャック＆れいのリーダー道場」を運営。

ガンタトーン・ワンナワス

Mediator Co., Ltd. CEO

在日経験通算10年。2004年埼玉大学工学部卒業後、在京タイ王国大使館工業部へ入館。タイ国の王室関係者や省庁関係者のアテンドや通訳を行い、タイ帰国後の2009年にメディエーターを設立。日本政府機関や日系企業のプロジェクトをコーディネート。日本人駐在員やタイ人従業員に向けて異文化をテーマとした講演・セミナーを実施（講演実績、延べ12,000人以上）。2021年6月にタイ日プラットフォームTJRIを立ち上げた。