ArayZ No.114 2021年6月発行タイのアフターコロナ展望
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カテゴリー: 対談・インタビュー
公開日 2021.06.09
1980年生まれ。大手監査法人、外資系メーカー勤務を経て2013年来タイ。外資系会計事務所での勤務を経て、15年に経営コンサルティング会社であるBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。現在は同社代表を務めるとともに、複数の公的機関にてアドバイザーを務める。公認会計士(日本)。東京大学経済学部、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。
なぜ公認会計士を目指したのでしょうか?
組織の名前ではなく個人の名前ででき、かつ社会のためになる仕事がしたいという思いが昔からありました。学部が経済学部だった縁から公認会計士の資格を見つけ、2年生の時から勉強を開始し、在学中に合格。そのまま監査法人に入所しました。
職場は新入社員であっても「君はどう思うの?」と質問され、理屈が通っていれば一専門家として尊重してもらえました。仕事も「証券市場の健全な成長を支える」といった大義名分のある仕事でしたから、なって良かったと思いました。
昔から起業願望があったのでしょうか?
起業したこと自体は勢いなのですが、きっかけになったことはあります。
MBA留学中に投資銀行でインターンをしていた時に、友人から父親が岐阜で営んでいる飲食店の経営が危ないので助けてほしいと頼まれました。そのままインターンを続けていれば高給取りになれたかもしれないのですが、何を思ったかインターンを途中で辞退して、岐阜に行ってしまいました。
そこで、フリーランスのコンサルタントとして泊まり込みでその飲食店の経営コンサルティングをやりました。連日夜中までオーナーや家族と議論をして、メニューの見直しから、銀行と借入金に関する交渉、不採算事業の閉鎖、使える手は何でも使いました。
結果、2ヵ月ほどで経営を立て直すことができ、最後にはオーナーが涙を流しながら感謝し、30万円を謝礼としていただきました。事前にそういった約束はなかったのですが、自分にとってはかけがえのないお金になりました。そして何よりこれが、職業人として100%自分の全身全霊を注ぐことができた初めての経験だったんです。ちなみに、そのお店はまだ運営されています。
そこでコンサルティング会社への 転職を選ばなかった理由は?
その仕事中、友人に「倉地は色々それらしいこと言ってるけど、経営がどれだけ大変かは経営者にならないと分からないよ」と言われ、確かにそうだなと思いました。もし経営コンサルティングを生業にするのであれば、自分は経営者としてやろう、と。
その後、結果的に起業したわけですが、友人の言った通り、自分で経営してみて初めて分かったことがたくさんありました。良いことも悪いことも両方です。そして、その経験が自分が提供するコンサルティングにも役に立っていると思います。
今後の事業展望を聞かせてください。
私の会社は、社名の由来でもあるのですが、従業員及びお客様が自分の目標を達成するための翼(Wings)になりたいというビジョンで経営しています。私は会計士ですが、タイの日系企業向けに会計サービスを提供するだけではなく、そのビジョンに資するのであれば何でもやろうと思っています。 例えば、昨年からTGSというグローバルネットワークのメンバーとして、タイ以外の国への日系企業の業務拡張支援や、タイに進出する非日系企業との取引を行っています。また、今年から始めたオンラインアシスタントサービスは、社内でスタッフを雇用することに難しさを感じている皆様に受け入れられ、すでに有名企業を含む複数のお客様にご利用いただいています。5月には営業支援を行う会社を他社様と共同で立ち上げ、バックオフィス業務だけでなく、売上の拡大も支援できるようになりました。 経営コンサルティング会社を経営者として切り盛りするというのは「個人の名前ででき、かつ社会のためになる仕事がしたい」と思っていた私にとっては天職だと思います。ただ経営者としては、個人だけではなく組織としての能力を高め、より大きな規模でビジョンを達成できるようになること。そして、そのことが私にとっての社会貢献だと思い、日々取り組んで行きたいと思っています。
ArayZ No.114 2021年6月発行タイのアフターコロナ展望
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THAIBIZ編集部
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