ArayZ No.119 2021年11月発行コロナと観光業 in タイランド
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カテゴリー: 対談・インタビュー
公開日 2021.11.09
1991年生まれ、千葉県幕張市出身。神田外語学院中国語専攻を卒業後、日本での会社勤務を経て2013年に来タイ。現地採用として働く傍ら、17年4月から“だいじろー”と共にYouTubeチャンネル「でいぜろバンコク」をスタートさせ、18年7月にYouTuberとして独立。だいじろーの帰国を機に活動を休止し、現在はYouTuber時代の経験を活かし、日系企業などにウェブマーケティング支援を提供している。
タイに来たきっかけとは?
私が幼少の頃、父はスイス企業の日本支社の社長を務めており、月の半分は海外出張で家を空けるような生活をしていました。父からは、これからの時代は色んな国籍の人と机を並べて働く時代になるから、海外に目を向けた生き方をしなさいと言われてきました。
そんな父の背中を見て自然と海外を意識するようになり、英語の勉強には力を入れました。専門学校で英語と中国語を学んだのも、海外に行くための準備でした。当初は台湾で働こうと考えていましたがビザなどの問題で断念せざるを得ず、日本の会社で1年間勤務した後に日系企業が一番多いタイに来ました。
ただ、当初から海外で会社勤めだけではなく、自分で何かをしたいと考えていました。ブログを書いてみたり、インターネットでモノを売ってみたり、日本のお菓子をタイの路上で売ろうとしたこともありました。
YouTubeを始めた経緯は?
知人を通して知り合った〝だいじろー〟とルームシェアを始めたのを機に、2017年の4月から「でいぜろバンコク」というYouTubeチャンネルを作り、動画のアップロードを始めました。私もいつか独立したかったですし、彼も会社勤めから抜け出したいという思いがありました。
最初はただただ自分たちで撮影した動画が面白くて更新を続けていました。週2回のアップロードという目標を決め、平日は仕事が終わった後に編集作業、週末は撮影というスケジュールで遊びにも行かずに一心不乱に取り組んでいましたが、忙しいとは感じませんでした。とにかく楽しかったです。
いつかは必ず収益が出ると思っていました。そして1円の収益が出たなら、それは100円にできる、それが100円なら1万円に、1万円なら100万円にできると考えていました。
YouTubeを収益化するには1000人以上のチャンネル登録者と4000時間以上の総再生時間が必要です。今でも初めて収益が出た瞬間は覚えています。管理画面に映し出されたのは0・01米ドル(約1円)という数字でしたが、自分たちの力でお金を稼ぐことができたのがとてもうれしくて、生きる力をもらいました。
YouTubeからの収益以外にも固定収入を作ろうと、サッカーのユニフォームのように撮影時に着用するTシャツにスポンサーを募ると、日本を中心に企業や個人の方がスポンサーに付いてくれました。広告効果というより応援という意味合いでしたが、安定した収入が見込めたことで独立を決断しました。
YouTuberとしての独立に不安などは?
会社員としての収入がなくなる不安はありましたが、念願の独立が叶ってはじめはワクワクしていました。
会社員を続けていたら関わることができなかった色んな方と出会うことができましたし、街中で声を掛けられるなど、それまでの人生では考えられなかったことが起こりました。一方で、ネット上で叩かれるのは精神的に辛かったです。何をやっても批判を書き込まれました。 多い時は週に5本の動画を公開していましたが、途中からコンテンツのマンネリ化を感じるようになりました。
ネタが尽きて、やっている自分たちが面白くないと感じているのに、生計を立てるためには動画を公開し続ければなりません。コンテンツに対する悩みは大きかったです。
現在の事業に転じた理由は?
だいじろーが帰国することになり、2人だったから成立していたコンテンツが成り立たなくなってしまいました。漫才をしていた相方が急にいなくなり、一人で演じないといけなくなったようなものです。すべてを一人で抱え込まないといけなくなりました。これからどうするべきか真剣に悩みました。
そこから、タイ企業を日本語のメディアなどで紹介するKOL(Key Opinion Leader)マーケティングに力を入れ、YouTubeを使わなくても売上が上がるようになりました。その中でコロナ禍が来ました。
現在は映像制作も含めた企業のウェブマーケティング支援を行っています。動画なら企業の魅力を世界中に発信できます。最近はオンラインの営業に力を入れている企業様が増えてきており、営業用資料や企業紹介または社員研修用としての動画などを製作しています。その他にもウェブサイトの検索上位表示やSNSの活用、動画広告の出稿などもウェブに関することなら幅広くサポートしています。
これからも日系企業のマーケティングをクリエイティブ面から支援し、社会における自分たちの存在価値を高めていきたいと思っています。
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THAIBIZ編集部
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