ベトナムではなぜ日本の人事制度を そのまま使えないのか?

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ベトナムではなぜ日本の人事制度を そのまま使えないのか?

公開日 2020.04.09

生じる社員への説明責任

 日本に本社を持つ企業様で、日本で使用している人事制度をそのまま翻訳して、ベトナム現地法人でも使っている方はいらっしゃいませんか。

 この場合、往々にして「表現が抽象的過ぎて伝わらない」「基準が曖昧」「昇給や昇格スピードが当地の労働市場と対比すると遅い」などの不具合に直面します。

 弊社にご相談くださる企業様の多くが直面されているこのテーマについて、今回からシリーズに分けてポイントを解説します。

 国が違えば、現地社員の感覚も違うであろうことは気付きながらも、人事制度設計の専門知識が十分でないために、「とりあえず本社の制度をそのまま翻訳して使っておこう」という選択をされているケースをよく目にします。

 ベトナム人社員にも納得感が感じられるような人事制度に昇華させるためには、何をどうローカライズしていけばよいのでしょうか。

具体策の事例

①考課項目の定量化
結果に対して上司の恣意性が働く余地が少ないため、ベトナム人社員の納得感に繋がりやすい

②既に業務管理上で社員が一定の納得感を持っているデータを考課に連動させる
例 定例的なKPIレポート、PDCAレポート、社内表彰の記録、スキルマップによるスキル評価の記録等

③昇給や賞与ロジックの明確化
=計算式やテーブルを具備する等

④昇格要件の明確化
=一部、定量化を含む

なぜ説明責任が生じるのか?

日本との大きな違いとして、考課結果や処遇内容の情報交換が、社員間で頻繁に行われる土壌がある…というのが当地の実態です。

それゆえ、考課結果にしろ処遇内容にしろ、他者と比較検証をしてその妥当性を社員から問われます。これに対する説明責任を果たすことができる制度が求められます。

 
長浜 みぎわ
ICONIC Co., Ltd.取締役
組織人事コンサルティング部統括部長 賃金管理士
長浜 みぎわ

ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。07年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。10年、ICONIC取締役に就任。

iconic
ICONIC Co., Ltd.
TEL : (+84)28-3821-5122(ベトナム)
URL : iconicjob.jp

代表 : 安倉 宏明 ( Yasukura Hiroaki )
設立 : 2008年5月
本社 : 10 F Citilight Tower, 45 Vo Thi Sau, Dist 1, Ho Chi Minh, Vietnam

ICONICグループは「人材サービスでグローバル化する社会を豊かにする」というミッションのもと、2008年にベトナムで創業し、現在は5ヵ国7拠点にてグローバル人材事業を展開しております。メイン事業はASEAN各国現地での人材紹介事業と組織人事コンサルティング事業。そして14年よりベトナムを中心に現地人材および、海外で働きたい日本人向けの転職サイト『iconicJob』を、19年に『iconicHRbase』をスタートいたしました。


\こちらも合わせて読みたい/

ベトナムにおける外資によるM&Aの注意点 ②


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THAIBIZ編集部

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