カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2015.08.14
ダウェーSEZの開発が動き始めたのは2008年頃のこと。
「計画自体はそれ以前からあったようですが、タイの総合建築会社であるイタリアン・タイ・デベロップメント社(以下、イタルタイ社)が08年、開発に乗り出しました。その後、12年にタイ、ミャンマー政府による合同ハイレベル委員会が開かれ、同年タイ政府からの要請を受け、当時の小島誠二・駐タイ大使がダウェーを視察。13年には日本がタイ、ミャンマーとの協議に参加し、本年2月の日タイ首脳会談で、安倍総理から、ダウェー開発の重要性を踏まえ、日本として特別目的事業体(SPV)に参画するため、出資に向けて必要な条件を整えるための手続きを開始したい旨述べたのを受けて、今年7月、日本、ミャンマー、タイの3ヵ国による意図表明覚書が交わされました」(内川公使)。
覚書の主な内容はプロジェクトに対する出資、技術的連携、幹線道路に関する事前事業化調査(プレF/S)の実施だ。
初期開発事業に関しては、イタルタイ社が担う予定である一方、覚書では、初期開発事業と本格開発事業とは明確かつ厳格な区別を確保することが明記されている。本格開発事業における技術的連携では、3年以内に必要な技術的検討、エンジニアリング・デザインおよび詳細な開発計画の策定を通じて、既存のマスタープランを精緻化するために協力するとしている。
「日本はプロジェクトに対して技術協力を行っていきますが、まず提案を行うために国際協力機構(JICA)の専門家を派遣することが決まっています」(内川公使)。
日本は本格開発事業における、タイからダウェーへと抜ける新規幹線道路の建設に関して、プレF/Sをできる限り速やかに実施していく。
「タイ国境からダウェーに至る道路について、初期開発では二車線道路が計画されていますが、将来的に必要とされる道路について、日本の協力によりプレF/Sを実施する予定です。道路以外にも、電力、通信、水などのインフラ整備も考えなければなりません」(小林書記官)。
「環境および社会への影響を考慮しながら、国際基準に沿った経済特区にするということが3ヵ国の共通認識です。完成には長い歳月を必要としますが、日本政府としては確実に進めていく考えです」
(内川公使)。
待ち望まれていたダウェー開発にとって、今回、3ヵ国による覚書が交わされたことは大きな一歩。この壮大なプロジェクトでは、まずインフラビジネスにおいて熱を帯びてくることとなる。
内川昭彦 経済部公使
小林 孝 二等書記官
在タイ日本国大使館
177 Witthayu Road, Lumphini, Pathum Wan, Bangkok 10330
02-207-8500 / 02-696-3000
http://www.th.emb-japan.go.jp
THAIBIZ編集部
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