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カテゴリー: ニュース
公開日 2023.03.21
英エコノミスト誌3月11日号はアジア欄で、「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)」(旧環太平洋連携協定=TPP)の最新動向について論じている。タイトルは「ドナルド・トランプはいかにアジアでの米国の利益に損害を与えたか」で、英国の加入交渉と、中国と台湾の加入見通しなどを分析している。
同記事は、2017年にトランプ氏が大統領に就任した際に掲げていた見直し対象リストのトップ近くにあったのがTPPで、同氏はTPPを「わが国をレイプする」ものだと呼び、就任3日後には離脱を表明し、その後も米国の利益を否定し続けたと話を始める。一方で、その他の11カ国はTPPにとどまり、自由貿易と多国間のルール作りの原則を擁護し、2018年3月にチリで、CPTPPと改称した協定の合意書に署名したと振り返る。
そしてCPTPP発効後の経済効果については「かつて予測されたよりも小さい」と分析する一方で、自由貿易協定(FTA)を持っていなかったベトナムとカナダ間など一部の2国間では貿易量は急増したと評価。シンガポールの研究機関アジア・コンペティティブ・インスティチュートによると「一部の産業分野では関税率の1%の引き下げごとに、輸入額は最大22.9%、輸出額は最大11.6%増加した」という。
そして現在、中国をはじめ、インドネシア、フィリピン、韓国、タイが加入意向を表明しており、早ければ今週にも初の新メンバーとして英国の加入が原則合意に達する可能性があるという。これにより2021年末に参加申請を行った中国と台湾にもスポットライトが当たるとし、「TPPプロジェクトの本気度はかつて米国によって試されたが、今や中国によって試されるだろう」という米ブルッキングス研究所の専門家の見方を紹介している。
さらに、日本の元貿易交渉官は厳格な条件での英国の加入は、将来のCPTPP参加プロセスにとって「英国モデル」を確立することになり、中国はそのテストに挑戦することになると指摘。ただ、中国の参加申請には多くの懐疑的な見方があり、中国が現在の基準でCPTPPに参加するためには大きな経済改革を実行しなければならないと強調した。特に国営企業の扱いや知的財産、労働者の権利、デジタル取引などの分野ではCPTPPの基準達成までにはほど遠く、「過去数年の強力な国家介入により中国は(CPTPPの)スタートラインからさらに遠ざかっている」との専門家の見方もあるという。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う肥料価格の高騰の中で、13日付バンコク・ポスト(2面)は肥料の主要原料である炭酸カリウム(Potash)のタイ国内での採掘事業をめぐる紛争を取り上げている。タイ東北部チャイヤプーム県の地元住民が、タイ政府が今年2月に、アセアン・ポタッシュ・チャイヤプーム(APOT)への9000万バーツの追加投資を承認したことに抗議しているという。同記事によると総額600億バーツ、占有面積9700ライ(1ライ=1600平方メートル)のAPOTの炭酸カリ鉱山投資プロジェクトでは、20年以上にわたり地元住民や活動家の反対運動が続いている。APOTのプロジェクトは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国が1975年に合弁事業として合意し、1991年にAPOTが設立された。ASEAN加盟国が29%、タイ財務省が20%、残り51%を民間企業が出資し、ASEANの農家向けに高品質の炭酸カリ肥料を供給するのが狙いだったが、民間企業の反応は鈍かった。ナコンラチャシマ県の別の炭酸カリ鉱山の周辺地域では、土壌塩分の高さにより地下水の利用が困難で、農地も耕作に不適となっていることから、チャイヤプーム県の地元住民も同様の状態になることを懸念しているという。ナコンラチャシマ県の炭酸カリ鉱山周辺の住民らは、炭酸カリ鉱山により土壌塩分濃度が上昇し、コメなどの作付けができなくなり、生活を破壊されたと訴えている。

TJRI編集部

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