カテゴリー: ニュース
公開日 2024.04.01
タイ投資委員会(BOI)は3月28日、パーンプリー副首相が議長を務める本委員会で、プリント基板(PCB)製造の全サプライチェーンを支援するため、PCB投資恩典を受けられる業種の見直し案を承認した。BOIは2023年にPCBプロジェクトを行う約40社に対する投資促進恩典を総額26億6000万ドル(960億バーツ)承認している。これらのプロジェクトの申請企業はPCB生産ハブをタイに移転する中国、台湾、日本、そしてタイ企業によるものだった。
BOIは外国企業によるPCB製造をさらに促進し、サプライチェーン全体をカバーするために、部品製造業者、ラミネート加工、ドリリング、ルーティングなどの関連サービス提供業者を含む適格業種の定義の見直し案を承認した。PCB関連業種の新定義では、銅張積層板(CCL)、フレキシブル銅張積層板(FCCL)、プリプレグ、ドライフィルム(乾性被膜潤滑剤)などの原材料生産者も支援対象になるという。
一方、BOIはこの日の本委員会では、タイの観光ハブとしての地位を強化するタイ政府のビジョンを支援するために、世界規模のイベントを誘致するための投資恩典も承認した。1億バーツ以上の投資が必要な大規模な国際的コンサート、スポーツイベント、フェスティバルなどの主催者に対し、設備などの輸入関税を免除するほか、外国人スタッフの一時的なタイ入国を容易にする措置を導入する。
ソニーセミコンダクターソリューションズは3月28日、傘下のソニー・デバイス・テクノロジー(タイランド)がタイ・バンカディの半導体製造事業所の敷地内で建設を進めていた新しい「4号棟」が完成し、2月から稼働を開始したと発表した。同事業所はイメージング&センシング・ソリューション事業の後工程を担う生産拠点として事業活動を行っている。新棟は、車載用イメージセンサーやディスプレイデバイス、データセンター向けの半導体レーザーなどの生産活動を行うとしている。約2000人の雇用創出を見込んでいる。
3月28日付バンコク・ポスト(4面)によると、マレーシア政府は、総額500億リンギ(106億バーツ)のタイ国境近くの鉄道プロジェクトの延長を検討している。タイとの経済競争を緩和するのが狙いという。マレーシアのローク鉄道相は27日、マレーシア議会で、同国政府はEast Coast Railway Link(ECRL)をタイの現行及び計画中の鉄道インフラと連結することも可能だと考えていることを明らかにした。タイは現在、ラノン港とチュンポン港を道路や鉄道でつなぐ「ランドブリッジ」の建設で、マレーシアの貿易ルートであるマラッカ海峡を迂回するルートを整備しようとしている。ローク鉄道相は「マレーシアとタイの関係はゼロサムゲームではない」とした上で、両国はともに取り組むことができる「政治的、経済的」課題に直面しており、国境を超えた連結もその1つの分野だと訴えた。ECRIはマレーシアの西海岸と東海岸を結ぶプロジェクトで、2027年までに完成予定。ECRIの東側終点はコタバルで、タイ・ナラティワート県の国境からの距離は約40キロという。
3月29日付バンコク・ポスト(3面)によると、タイ政府は閣議で、販売時間の延長や広告規制の緩和などを盛り込んだアルコール飲料管理法を改正する5本の法案を承認し、27日に下院第1読会に送付した。第2読会、第3読会に送られる前に下院特別委員会で審議されるという。反アルコール団体は、現在のアルコール管理法は改正する必要はなく、アルコールを販売する企業だけが利益を得るなどと反対している。一方、タイ政府は経済と観光を活性化するためにアルコール販売を柔軟化することと、公共の健康を守ることのバランスを取らなければならないと強調している。
3月23日付バンコク・ポスト(ビジネス3面)によると、タイ工業連盟(FTI)はスマート農業発展に向けたパイロット・プロジェクトに着手するために、大学の専門家と連携したスマート農業の取り組みを進めている。FTIのクリアンクライ会長は、FTIとラジャマンガラ工科大学プラナコンとの覚書(MOU)調印式に際し、「タイの農業部門は生産効率を向上させるさらなる発展が必要だ」と指摘。このプロジェクトは需要に応じた農業をコンセプトとし、特定分野での産業界からの需要が、農家が栽培する農産物の種類と生産量を決めるというものだと説明した。さらに、スマート農業は農家の収入を増やし、経済成長を支援すると強調した。FTIによると、タイの農業分野の収入は1兆5000億バーツで、国内総生産(GDP)の8%に寄与している。一方、タイの農業人口は1200万人で、工業人口の615万人と比較した場合でも、タイ農業の発展余地は大きいとしている。
THAIBIZ編集部
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