カテゴリー: 会計・法務
公開日 2018.02.21
BOI、東部経済回廊、メリットベース恩典etc……。よく聞くフレーズだが、それぞれの相関関係を把握しているだろうか。まずはタイにおける投資奨励策を一覧にした。これらを統括しているのがタイ投資委員会(THAILAND BOARD OF INVESTMENT:BOI)だ。タイ首相府直轄の組織で、タイへの投資促進目的に1977年に設置された。BOIは時代に応じて様々な恩典を用意してきたが、近年は「中所得国の罠」の克服および持続的成長の実現を図るための恩典を重要視している。下の図表は現在取得できる恩典を網羅した。
BOIの基本恩典は「投資奨励法」に沿った7ヵ年戦略(2015年~2021年)対象産業への投資奨励である。主なものとして、8年以下の法人所得税の免除(場合によっては、その後5年間の半減)や機械・原材料および研究開発(R&D)に使用する物に対する関税の免除、土地所有権、外国人熟練者の導入のためのビザ・ワークパーミットの優遇などがある。
業種別恩典は、今まで7つの業種に分類されていたが、2017年3月に8類「科学技術と技術革新(バイオ、ナノ、アドバンスド・マテリアル、デジタル)」が追加された。8類の条件は、
1、BOIが指定したターゲット産業の製造工程またはターゲット産業へのサービス提供における技術開発工程があること。
2、BOIが承認した教育機関または研究機関に技術移転をすること。
主な恩典は、
1、法人所得税を3〜8年間免除。
2、BOIによって奨励された科学技術パーク内のプロジェクトまたはBOIが承認したプロジェクトは、法人所得税免除期間終了後の5年間、法人所得税をさらに50%削減。
また、8類の事業では法人所得税はメリットベースでの恩典を追加すると、業種に基づく恩典の法人所得税10年間免除とプラスして最長で13年間の免除を受けることも可能だ。
BOI取得を検討する場合、当該事業を分類にあてはめ、かつ条件を満たせばA1〜B2までにランク分けされた恩典を受けることができる。
グループAは、法人所得税免税が含まれるA1~A4の4グループ。A1は、投資金額に関わらず(上限なし)8年間法人所得税が免除される。
2017年2月13日に施行された新しい法律「特定産業競争力強化法」とは、競争力強化のための措置だ。例えば、タイにない高度研究開発、イノベーションの促進、高度技術を導入するような事業、専門人材の育成に貢献する事業など、国家アジェンダに応える産業が対象となっている。新技術への投資や影響力の高い投資と政府が認めた場合、最長15年間の法人税免除と、100憶バーツの基金から補助金を得られる。
同法律が施行されて約1年が経過するが、申請状況や取得の有無など詳細は聞こえてこない……。
THAIBIZ編集部
デジタル人材を育成し、時代の変化に対応していく 〜タマサート大学・SIITのクリアンサック准教授インタビュー
協創・進出 ー 2025.07.04
「タイ経営者7割、政権不安が経営に悪影響」「NETA生産未達でEV補助金制度の見直し検討」
自動車・製造業 ー 2025.07.04
タイ人材に経営を任せる策とは? – 実践的リーダー育成と企業内研修の活用法 –
組織・人事Sponsered ー 2025.07.03
EV生産に税優遇追加 ~投資委、現地調達45%で減免~
自動車・製造業 ー 2025.07.03
日本とタイを食で活性化!攻めと守りを操る現地経営 ~JALUXアジア瓜田充弘社長インタビュー
対談・インタビュー ー 2025.07.01
輸入許可証の更新等の標準作業手順書(SOP)
会計・法務 ー 2025.07.01
SHARE