カテゴリー: DX・AI
公開日 2023.10.09
タイでカーボンニュートラルを実現するにあたって、第一歩となるのが電力使用量の削減。それを動機付ける電力使用量の適切な把握。どこで、どのように、どの程度使われたかが明らかになって、初めてその対応も進むという考え方からだ。
同社では、工場や現場、各種施設にくまなくセンサーを設置。通信会社ならではの高品質通信網で情報を一元管理する。得られたデータは、インターネット回線を経由してクラウド上のサーバーに。エネルギー消費量可視化プラットフォームに乗せられ、工事設備棟や管理部門へフィードバックされる。結果、工場が稼働していない深夜時間帯に膨大な待機電力のロスが生じているなどの実態が判明する。無駄な経費も一目瞭然となる。
こうした中で見過ごされがちなのが、生産ラインや物流施設など様々な場所から漏れ出る空気(エア)だと大森氏は指摘する。工作機械の動力源として、工具の脱着に切り屑のエアブロー、さらには機械類の清掃やネジ締め・梱包などに欠かせないコンプレッサー。ここから多大な電力が浪費されていることは意外と知られていない。例えば、送管の結合部や老朽化したホースのわずかな裂け目などからエア漏れは発生する。しかもその量は微量で、音は人の耳には聞こえない。臭いもなく色もなく、人間が気づくことは通常ではありえない。
同社によれば、工場全体のコンプレッサーが消費する電力量は一般的に18~25%で、最大時には全消費量の4分の1にも上る。このコンプレッサー自体の稼働の最適化・効率化を図る上で、実際のエア流量の可視化・定期モニタリングを行う必要があり、想定以上のエア流量が見られた場合、先述の通り配管からのエア漏れなどの可能性が考えられるという訳だ。
工場全体の電力利用量最適化と効率化が進むことで、トータルコストの削減にもつながっていく。2022年後半からの本格営業にも関わらず、タイでの引き合いはすでに10数社に上っているのも、本取り組みが企業におけるカーボンニュートラルの実現に直接的に繋がっているものだからとしている。
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