「ワン・バンコク」第4四半期オープン、隣国からのコーン輸入禁止へ

「ワン・バンコク」第4四半期オープン、隣国からのコーン輸入禁止へ

公開日 2024.03.26

タイ財閥大手TCCグループと傘下のフレーザーズ・プロパティ―がバンコク市中心街で開発を進めている大型複合施設「One BANGKOK(ワン・バンコク)」は3月19日、記者会見を行い、同プロジェクトの第1期が今年第4四半期に開業する予定を明らかにするとともに、小売業向け施設の概要を公開した。

同プロジェクトは「The Heart of Bangkok」をキャッチフレーズとし、世界の舞台でタイの地位を強化し、タイ経済の発展を加速させる重要な役割を果たすシンボルになると強調。特に、ウィッタユ通りとラマ4世通りの角というバンコクの中心ビジネス街の近くで最後に残された絶好の立地だとアピールしている。総投資額は1200億バーツ。

総敷地面積は108ライ(17万2800平方メートル)で、オフィスビル5棟、ホテル5軒、高級コンドミニアム3棟などで構成される。このうち小売業などの商業施設は、レストラン、カフェ、スーパーマーケットなどが入居する「Parade」(9フロア、8万5000平方メートル)、ファッション、ライフスタイルのコンセプト店舗などが入る「Storeys」(5フロア、3万5000平方メートル)、時計や宝飾を含む世界の高級ファッションブランドがそろう「POST 1928」(5フロア、4万平方メートル)の3つのゾーンに分かれる。このほか、世界規模のイベント、コンサート、展示会などを開催可能な「Live Entertainment Arena」も整備。また、高架鉄道BTSプルンチット駅を結ぶ電動シャトルバスも運行される。

フレーザー・プロパティー・グループのパノート・シリワタナパクディ最高経営責任者(CEO)は「このプロジェクトは、バンコクを経済的、文化的な国際都市として前面に押し出すという重要性があり、国内外のトップクラスのビジネスマン、投資家、観光客を呼び込むだろう」と強調。また、ワン・バンコクのパリニー最高リテール責任者は、「ParadeとStoreysは今年第4四半期にオープン予定で、Post 1928は第2期の来年以後になる。年間訪問客数は少なくとも9000万人を目標としており、60%がタイ人、40%がタイ在住外国人と外国人訪問者だと想定している」ことを明らかにした。


3月20日付バンコク・ポスト(1面)によると、タイ政府は19日の閣議で、トウモロコシ畑で野焼きを行っている隣国からのトウモロコシ輸入を禁止することを承認した。タイ政府はPM2.5などの煙害の原因が隣国のトウモロコシ畑での野焼きだと批判しており、大気汚染を減らすのが目的としている。今年から適用するという。チャイ政府報道官は、「いかなる輸入禁止措置も世界貿易機関(WTO)のルールを順守しなければならない。また、禁止措置の適用は年内に予定されている大気浄化法(Clean Air Act)の成立を待つ必要がある」と述べた。

同報道官によると、タイのトウモロコシの年間需要量は890万トンで、国内生産量は490万トンにとどまっており、現在、ミャンマーから60万~70万トン、ラオスから30万~40万トン、カンボジアから10万トンのトウモロコシを輸入している。その他、200万トン以上をブラジルなど他の国から輸入している。一方、ナピントーン商務副大臣は、こうした輸入禁止措置は大気浄化法が施行されない限り、WTOルール違反となるので導入できないと指摘。さらに、タイ国内でも野焼きをやめる必要があると強調した。


3月20日付バンコク・ポスト(ビジネス1面)によると、タイのビール市場に新規参入したタイ栄養ドリンク大手カラバオのサティエン最高経営責任者(CEO)は、広告規制強化などの新たなアルコール飲料管理法はアルコール市場への新規参入者を阻害する可能性があると批判した。同CEOは、新型コロナウイルス流行に伴い、消費者の購買力が低下したため、タイの今年のビール市場は横ばいになる可能性があると予想した。タイの2023年のビール市場の規模は2500億バーツで、アルコール飲料市場では最も大きなシェアを占めている。

サティエンCEOは「アルコール飲料広告に対する法律は緩和すべきだ。それは深刻なペナルティーとなり、その解釈は当局の裁量に依存している」と指摘。「アルコール飲料広告に関するタイのような厳しい法律を導入している国は聞いたことはない。この法律は不公平であり、タイの経済発展に合致しない。法律が厳しすぎ、新規参入業者はこのビジネスでは生き残れない」と批判。さらに、「適切な戦略による4~5製品の販売開始は機能すると確信している。もしわれわれが1製品しか出さなかったら競合社に阻止されたかもしれない」との認識を示した。2ブランド5種類のビールを投入したカラバオは、今年10%のシェアを獲得し、最終的にはビール市場の上位3社に入ることを目指している。カラバオのサティエン氏は長年、シンハーとチャーンの2ブランドの寡占が続いてきたタイのビール市場での既得権益擁護の動きに明確に異議を表明をしているかのようだ。

TJRI編集部

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