ArayZ No.130 2022年10月発行始める前に確認したい M&Aタイ最前線
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カテゴリー: 対談・インタビュー
公開日 2022.10.10
Mediator Co., Ltd.
ガンタトーン・ワンナワス
CEO / Kantatorn Wannawasu
在日経験通算10年。2004年、在京タイ王国大使館工業部に入館し、タイの王室関係者や省庁関係者のアテンドや通訳を担当。09年に「Mediator Co., Ltd.」を設立。日本貿易振興機構や日本政府機関といった仕事を請け負う他、日本人駐在員やタイ人従業員に向けた講演・セミナー・研修を実施(延べ12,000人以上)。
父が銀行員で日本企業担当をしていたため日本人との関わりが多く、私たち家族にとって日本は身近な存在でした。高校卒業後の進学を考えた時、タイ社会の一般的な中流層から差別化を図るために留学が効果的だったこともあり、その行き先に日本を選んだのは自然な流れでした。
まず東京の日本語学校で1年間日本語を学び、日本語能力試験1級を取得した翌年に埼玉大学工学部機械工学科に入学。周りにタイ人がほとんどいない状況のなか、日本人の友達もすぐにできましたが、自分がどんなに日本語を上手く話しても外国人扱いをされていることに気づき、疎外感を抱くこともありました。そこから日本社会に溶け込めるように、日本人社会特有の習慣や空気感を必死に学びましたね。
大学卒業後は「日本語力を生かして、日タイ両政府の対話が行われる最先端の場所で活躍したい」と、在京タイ王国大使館に入館。工業部公使参事官補佐を5年間勤め、タイの工業省や科学技術省と日本の経済産業省、文部科学省といった産業政策・科学技術政策を中心に両国の協力を調整する窓口を担当しました。そこで「国益」を学び、「世の為、人の為」が生き甲斐に感じられるようになりました。
また、日本全国にあるものづくりの現場を訪ね、その考え方・技術に触れたことで、日本の強みは「改善」や「課題解決」であることも肌で感じました。一方で、当時の日本から見たタイは「安くものづくりができる製造拠点」という風潮が色濃く、「日本とタイの長い友好の歴史があるのに、なぜ一方的な関係性になっているのか」という疑問を抱いていました。こうした経験が、Mediator設立に繋がっています。
2009年に帰国し、起業した時から私がずっと掲げているのは「タイと日本を繋ぐこと」。その想いを社名(Mediator=仲介者)に込めました。フリーランスの通訳とコーディネーター業務から始まり、商談会や調印式典といった日本の官公庁から請け負った運営事業や、現地視察などを含めたリサーチ事業、展示会の出展サポート事業、販路開拓支援などを含めたマッチング事業を中心に行ってきました。
「TJRI(Thai-Japanese Investment Research Institute)」とは、日本企業とタイ企業を繋ぐB2Bマッチングプラットフォームです。今のタイ企業が日本に求めているのは、投資でも質の高い製品でもなく、タイを拠点にグローバルに事業を拡大させていく「協業パートナー」です。TJRIは、日本企業と協業できる体制を持つタイの大手企業から現状の課題やニーズをヒアリングし、そのニーズを日本企業へ発信することで、より確度の高いマッチングへと導きます。
また「タイ大手企業と連絡を取る手段がない」「タイ企業に提案をしてもイマイチ反応が悪い」といった日本企業側の悩みと、「日本の情報を知りたくても日本語の情報しかない」「日本企業からの提案が求めているものとズレている」といったタイ企業側の悩みを同時に解消することで、日タイのさらなる「協創」を生み出すと考えています。
TJRIとしては、日本企業とタイ企業が多く出会い、お互いの理解を深め、投資や協業に繋がる日タイ企業間のアダプター的な役割を果たすプラットフォームになることを目指しています。その上で、日タイの経済や社会にインパクトを与える新規事業がたくさん生まれ、両国の経済を活性化できれば、20代の頃から抱いてきた「生まれ育ったタイと生き甲斐を与えてくれた日本の両国に貢献したい」という私の想いが叶うのではと思っています。
Mediator Co., Ltd.
Major Tower Thonglor Fl.10, 141 Soi Thonglor 10, Sukhumvit Road, Khlong Tan Nuea, Watthana, Bangkok 10110
Tel:+66(0)2-392-3288
E-mail:[email protected]
URL:https://mediator.co.th/
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THAIBIZ編集部
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