ArayZ No.139 2023年7月発行BCG経済モデルで豊かな社会へ
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カテゴリー: 組織・人事
公開日 2023.07.09
目次
A: 「ミス」に対する考え方とあるべき姿を見直してみませんか?
実は、私自身も毎日この問題で悩んでいます。ですので、有効な対策方法を提示することはできません。
しかし、対策方法を模索する過程で私自身のミスに関する考え方に問題があることに気づきましたので、それについてお話しします。
以下では問題のある考え方3つと、望ましい姿として示されている考え方を参考までに共有します※。
タイ人スタッフがミスをした場合、「不注意だ」「勉強不足だ」といった風に、その人の能力不足と結びつけることは簡単です。
しかし、ミスは必ずしも個人の能力に起因するわけではありません。むしろ、そのミスが発生した状況や組織の問題に起因していることが多いため、そのような状況を作っている組織に問題があると考えることができます。
個々のタイ人スタッフが個人的に行っている業務を標準化し、ルールを定めればミスは減ると考えることもできます。
しかし、業務の実態やミスの背景を十分に理解せずに、このような標準化やルール作りが行われると現場はむしろ混乱し、ミスは減らないという状況になり得ます。
タイ人スタッフの仕事である以上、自分のミスについて説明責任を負うべきだと考えることもあります。しかし、説明責任を求められる側としては、そのミスがなぜ発生したのかについて理解している相手でなければ、説明責任を負いたくないと感じるでしょう。
また、自分自身が責任を負うべきではないことについて説明責任を求められる場合もありますので、説明責任を負いたくないと感じるのは当然です。
このように考えると、結局のところタイ人スタッフのミスの発生は、個人ではなくマネジメントの責任があるという結論にたどり着きます。つまり、マネジメントがタイ人スタッフの業務を十分に理解しておらず、標準化やルール作りをうまく進められず、組織の構成や職権の配置に問題があるために、ミスが発生しているのです。
タイで働いている日本人の方も、例えば顧客からタイ人スタッフのミスによるクレームを受けると、ついタイ人スタッフを責めたくなることもあるでしょう。しかし、もしミスの原因が自分自身のマネジメント能力にあるとしたら、対策すべき対象はタイ人スタッフではなく、むしろ自分自身だということになるかもしれません。
※ Dekker, S. (2014). The field guide to understanding’human error’. Ashgate Publishing, Ltd.を参考に作成
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Biz Wings
CEO & Founder
倉地 準之輔 氏
日本で監査法人、外資系企業勤務を経て2013年来タイ。外資系会計事務所勤務後、2015年10月にBizWings (Thailand)Co., Ltd.を設立。複数の公的機関にて日系企業のアドバイザーを務める傍ら、経営コンサルティング業務を提供している。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。
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Website : http://www.bizwings.co
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