ArayZ No.140 2023年8月発行2030年 タイの消費財・ 小売りビジネスの未来
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カテゴリー: ASEAN・中国・インド, 会計・法務
連載: ONE ASIA LAWYERS - ASIAビジネス法務
公開日 2023.08.09
目次
商標法は2019年に公布され、20年10月よりソフトオープニング期間が開始され、登録法に基づき申請済みの商標(農業・畜産・灌漑省の管轄機関に登録された商標)を出願できるシステムが運用されていました。
出願自体は可能なものの、手数料などの手続きに必要な規則が制定されていない運用が数年にわたり続いていましたが、23年4月1日に商標法が施行されました。
併せて23年4月1日にミャンマー商業省より商標に関する規則(MOC Notification No.17/2023)が発布され、出願料、登録料などの各種手続きの費用が規定されています(出願料金および登録料はいずれも15万チャット(約7,500円)/1クラスあたり)。
23年4月26日、「世界知的財産の日」に合わせて記念式典が開催され、商標登録が開始されています。
商標の出願は、ヤンゴンなどの知的財産局で申請書を提出するか、オンラインで申請書を提出することができます。オンラインの出願者は、知的財産局ウェブサイト(www.ipd.gov.mm)上にあるオンライン予約システムから予約できます。
また、知的財産局ウェブサイトでは、オンライン申請システム(WIPO file)のユーザーマニュアルが公表されています。ウェブサイトにログインし、商標・申請者・クラスの詳細などを入力して申請書を提出するなどの申請方法が記載されています。
ミャンマーの最高裁判所は、23年3月24日に商標法に基づく知的財産権に関連した訴訟を審理し、判決を下す権限や管轄権の付与に関する通知を発布しており、ヤンゴンでは商標法に基づく知的財産の侵害に関する請求に関してKyauktada地区裁判所が管轄として定められています。
なお、出願期間が政府の通知によって延長されるなど、随時運用が変更されていく可能性があるため、実際の出願にあたっては最新の運用を確認することが重要となります。
WIPO fileを通じて、出願の商標登録手数料の支払いおよび代理人選任届(フォームTM-2)の提出を23年6月30日までに行う必要があります。
なお、商標出願の代理人は商標代理人として登録された者でなければ選任できず、ミャンマー人弁護士のみが登録できます。また、申請者がミャンマーに主たる営業所等を有しない場合は、所在国にて公証認証を受ける必要があります。
商標法施行前からの使用事実に基づく優先使用権の享受を希望する場合は23年4月26日から今後6ヵ月以内に知的財産局へ申請しなければならないと公表されています。
上記以外の各種出願は、23年4月26日から開始されています。
23年6月15日付国営紙「グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー」によれば、ミャンマー商業省のアウンナインウー氏は、意匠法の年内施行を目指す方針を明らかにしたと報道されています。また、商業省は年内に意匠法だけでなく著作権法の施行も目指しており、特許法も24年には施行にこぎ着けたい考えだと報道されています。
今後ミャンマーにおいて知的財産権に関する法制度の整備が進むと予想されるため、今後の動向に注意が必要となります。
佐野 和樹
One Asia Lawyers パートナー弁護士(日本法) ミャンマー・マレーシア統括
2013年からタイで、主に進出支援・登記申請代行・リーガルサポート等を行う「M&A Advisory Co., Ltd.」で3年間勤務。16年よりOne Asia Lawyersの設立に参画し、ミャンマー事務所・マレーシア事務所にて執務を行う。19年にミャンマー人と結婚し、現在はミャンマー在住。ミャンマー・マレーシア統括責任者として、アジア法務全般のアドバイスを提供している。
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THAIBIZ編集部
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