カテゴリー: イベント
公開日 2025.04.10
タイビズは屋号を変更してちょうど1年を迎え、3月12日に「THAIBIZ 1st Anniversary Seminar ~タイの未来を拓く、新たな章へ~」を開催しました。本セミナーでは、タイビズの表紙を飾った経営者をはじめとする登壇者の方々と、「日タイ協創」のビジョンを共有する読者のみなさまが、同じ場所で学びと交流を深める機会となりました。
目次
タイビズでは、日系企業のタイ市場での成功を支援し、日本人駐在員とタイ人ビジネスパーソンの情報格差を埋めるメディアとして、この1年で数多くの経営者・専門家の声を発信してきました。中国企業の勢いが増すタイやASEANの中で、日本企業のビジネスとあり方も再考を迫られています。
もはや高品質な製品だけでは、タイ市場での成功は難しくなっています。現在、タイ企業が真に求めているのは、「グローバル展開のパートナー」=タイを起点とし、ともに世界市場へと事業を広げていく“協業の相手”です。本イベントでは、そんな想いを込めセミナーと交流会を実施。さまざまな業種の来場者にお越しいただきました。
セミナーには、メディア記者やタイビズの表紙を飾った経営者などの駐在員が登壇。変化の激しいグローバル環境の中で、日本企業に求められる役割や、そこに広がる新たなビジネスの可能性について意見が飛び交いました。
まず、日本経済新聞社アジア編集総局長の藤原豊秋氏、読売新聞アジア総局 バンコク支局記者の井戸田崇志氏、NNAアセアン・インド編集部長(「The Daily NNA」タイ版編集長)の小堀栄之氏が登壇。「ASEAN激動の2025年—日本企業の戦略を問う」と題し、各誌が取り上げた記事をもとに意見を交わしました。
トランプ政権や中国資本の動向、ASEAN諸国の戦略を分析し、「日本がASEANでプレゼンスを高めるには、投資金額以上に大きく見せるPR戦略に鍵がある」や「タイを拠点にすることでハードルが高いインド市場を視野に入れることができる」など、多角的に提言。また、アジアの若者のグローバル化が進んでいるといったリアルな情報も話題に上がりました。
第二部では、「在タイ日本人駐在員の挑戦—現地での変革と使命」をテーマに、タイビズの連載「在タイ日本人駐在員の挑戦」に登場した若手駐在員4名を迎え、実際の経験にもとづく課題意識と取り組みを語っていただきました。
登壇したのは、丸紅泰国会社の播磨諒人氏、トヨタ・モーター・アジア(TMA)の福見優一氏、タイ日産自動車の千葉ゆりか氏、横河タイランドの澤本俊平氏。役割も環境も異なる4名が、限られた駐在期間のなかでどのように現地と向き合い、変革を試みているのか。それぞれのアプローチが印象に残りました。
第三部では、「日タイ経済連携の深化と新たな可能性」と題し、タイビズの表紙を飾った3名の経営者を迎えてディスカッションが行われました。登壇したのは、デンソー・インターナショナル・アジアの犬塚直人社長(2024年4月号)、丸紅泰国会社の日髙和郎社長(2024年5月号)、パナソニック エナジー(タイランド)の谷本卓也社長(2025年1月号)です。
5月号の表紙を飾った日髙社長は、カーメンテナンスビジネス「B-QUIK」やコスメブランド企業の「Karmart」が順調であることに加え、3つの新たな投資を行なったことを発表しました。また、タイ企業のファミリービジネスの中に入り込むことの難しさについて触れた上で独自のテクニックを明らかにし、会場の関心を集めました。
タイ人経営陣とともに記念すべき創刊号の表紙を飾った犬塚社長は、人的資本経営の重要性を改めて強調。タイ人リーダーが挑戦しやすい環境づくりについて、人事施策の具体例をパネルとともに紹介しました。
2025年1月号の表紙を飾った谷本社長は、タイの大手財閥企業であるCPグループ(CP All)と取り組む乾電池のサーキュラーエコノミー構想を取り上げ、実現するまでの課題や企業間連携における姿勢について、現場の体験を交えながら共有。タイ社会との協創に向けた視座を提示しました。
また、社会貢献を事業化するための秘訣やビジネスの拡大の考え方、本社を説得させるためのコツなども話題に。ゴルフを通じた人脈形成のテクニックなども交えた、日本を代表する経営者同士ならではの質疑応答に、会場全体が引き込まれるひとときとなりました。
イベント終了後に実施したアンケートでは、多くの来場者が「タイビジネスの情報不足」や「タイ企業との接点の少なさ」、「新しいアイデアが浮かばない」といった課題を感じていることがわかりました。
一方で、参加目的には「他社の成功事例から学びたい」「新たなビジネスチャンスや人脈を見つけたい」といった声が多く、イベントを通じて「普段得られない情報に触れる貴重な機会だった」「企業の視点から情勢や指針を知ることができた」など、前向きな反応も多く寄せられました。
また、「日系製造業のサプライチェーンは崩壊しつつあり、独自にタイ企業との連携を模索し共闘できる関係性が重要になりつつある」といった鋭い見解もいただき、私たちにとっても多くの気づきと学びがあった一日となりました。
2年目となるタイビズでは、これまでの特集や企業紹介に加え、日本語では情報の少ないタイ企業の声や視点を、引き続き丁寧に伝えていきます。加えて、タイビズでは日タイ企業のマッチング支援サービスを行っており、駐在員や日系企業で働くタイ人に向けたセミナーを50回以上実施予定です。
知の共有と交流の場として、貴重なゲストによる学びの機会も、引き続きオンサイトでお届けします。メディアとしてさらに進化を続けるタイビズを、これからもどうぞよろしくお願いします。
タイ企業とのビジネスマッチングサポート、セミナー運営などTHAIBIZへのお問い合わせはこちらから。
Email : [email protected]
THAIBIZ編集部
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