トヨタは新型カムリでHEVをアピール、EECでの住宅販売減少の背景は

トヨタは新型カムリでHEVをアピール、EECでの住宅販売減少の背景は

公開日 2024.10.15

トヨタ自動車は10月10日、主力中型セダン「CAMRY(カムリ)」の新型車のタイ発売を披露するイベントを開催した。最近のハイブリッド車(HEV)人気を背景にHEV専用モデルになるという。タイ国トヨタ自動車(TMT)の山下典昭社長は、「タイの自動車産業は今年、多くの困難に直面している。特に市場が縮小している」とした上で、こうした環境下でトヨタのタイ市場シェアは38%と13年ぶりの高水準を達成したとアピール。カムリはタイ市場に1993年に投入され、今年8月までにタイ国内の累計販売台数は23万台、タイからの輸出は2007年以来、13万台に達したと報告した。

山下社長は、「タイで今年、xEVの全市場に占めるシェアが36%になったが、このうちHEVは前年同期比21%増、バッテリーEV(BEV)は同13%増で、HEVがタイの顧客の間でも最も人気のあるソリューションになった」とアピール。トヨタはタイでのHEVを含む「xEV」の総販売台数でNo1になったと強調した。

Toyota Motor Thailand 新型カムリの発表イベント
「新型カムリの発表イベントに登壇するTMTのスパコーン執行副社長」出所:TMT

また、TMTのスパコーン執行副社長も改めて「トヨタ、信頼されるハイブリッド」というコンセプトを紹介、HEVをアピール。HEVのユーザーの信頼感を強化するために、①トヨタ教育訓練センターで訓練を受けた8000人以上の技術者がいて、全国のサービスセンターにハイブリッド車修理の標準ツールがある ②スペア部品はすぐに入手でき、15年分のメンテナンス在庫を持っており、48時間以内の引き渡しが可能 ③全国に450のサービスセンターがあり、全国の顧客に対応できる準備ができている-と説明した。

タイ市場でも過去2年ほど沸騰したBEVは人気が一段落し、欧米のトレンドと同様にハイブリッド車人気が高まっている。タイでもBEVの課題とされているのが、バッテリーが何年持つのか、中古車価値はどうなるのか、保険は付けられるのか、そして修理・メンテナンスはどうなるのかなどだ。こうした課題をトヨタ自動車は当然把握し、今回のイベントで冷静に説明している印象だ。果たして怒涛の進出ラッシュが続く中国系EVメーカーがこのような課題にどう対処していくのかを見守る必要がある。


9月30日付バンコク・ポスト(ビジネス3面)によると、タイ政府住宅銀行傘下の不動産情報センター(REIC)のウィチャイ所長代行はチョンブリ県、ラヨン県での大規模工場の閉鎖が今年上半期のコンドミニアムやタウンハウスなどの住宅需要に大きな影響を与えており、今年第2四半期の新規住宅販売は特に工業団地周辺で減少が続いていることを明らかにした。東部経済回廊(EEC)のチョンブリ、ラヨン、チャチュンサオ3県の新規住宅販売は昨年第4四半期の7872戸(258億バーツ)から、今年第1四半期には6563戸(217億バーツ)に減少、さらに第2四半期は5132戸(168億バーツ)とREICが四半期調査を開始した2022年以来の最低水準に落ち込んだという。

EEC地域での今年上半期の住宅需要の減少に対し、未利用地の価格指数が今年第1四半期は前年同期比3.3%増、第2四半期は同8.3%上昇と対象的な結果となっている。価格指数の上昇は中国の電気自動車(EV)メーカーの進出ラッシュが背景で、ラヨン県を拠点とする、VPリアルエステート・プロパティー・デベロップメントのプレムソーン社長は「比亜迪(BYD)や長安汽車などの大手ブランドの進出は住宅需要を押し上げてはいない。彼らはオートメーションに大きく依存しているからだ」と指摘した。


10月1日付バンコク・ポスト(ビジネス4面)によると、タイ商務省のオラモン企業振興局長は今年1~8月新規企業登録数は前年同期比0.42%増の6万1819社、登録資本金総額は同60.3%減の1860億バーツだったと明らかにした。また、政府の景気刺激策や観光部門の回復から今年の新規企業登録は9万~9万8000社と前年比5~15%増になるとの強気の見通しを示した。

特に過去3年間は新型コロナウイルスの収束を背景にレストラン数の増加が続いており、2023年のレストランの新規登録数は32.9%増の4017社、今年1~8月は2847社だった。レストラン事業の成長はオンラインプラットフォームの普及が背景という。また、レストラン部門への外国企業の投資額は290億バーツで、国別では、米国(20.9%)、日本(10.8%)、中国(8%)、インド(7.46%)、フランス(5.53%)の順だったという。


10月10日付バンコク・ポスト(2面)によると、タイ保健省は大麻の生産、輸出入、販売、そして所持の管理を強化する新たな省令を公布する予定だ。国家麻薬統制委員会事務局(ONCB)のパヌラット事務局長は9日、8日の閣議でカンナビスとヘンプ成分の生産、輸出入、販売、所持の許可に関する保健省が提案した省令案が原則承認されたことを明らかにした。同省令案は法制委員会事務局に提出され、審査される。同事務局長はこの省令案は医療用、商業用、工業用、科学研究用、そして麻薬対策目的でのカンナビスとヘンプ成分の生産、輸出入、販売、所持のための免許の申請、付与、更新、手数料に関する基準を定めたものだと述べた。


10月9日付バンコク・ポスト(3面)によると、タイ誇り党の党首を務めるアヌティン副首相兼内相は8日、同党の共同創設者であるネウィン氏がタクシン元首相と、バンコクのタクシン氏の私邸で面会したことを認めた。アヌティン氏は、タクシン氏の私邸を頻繁に訪問して夕食をともにしており、今回はネウィン氏の誕生日(10月4日に66歳)を祝うために同行を頼んだと述べた。アヌティン氏は、タクシン氏とネウィン氏は既に和解したのかとの質問に対し、二人の関係が険悪だとのうわさは完全に間違っていると強調した。

THAIBIZ編集部

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