THAIBIZ No.155 2024年11月発行タイの明日を変える!イノベーター大特集
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カテゴリー: 会計・法務
公開日 2024.11.11
今回は、タイの取引競争法(日本の独占禁止法に相当)について解説する。
タイでは、1999年に取引競争法が施行され、その後2017年に改正された(以下、「法」という)。取引競争法では、①支配的地位の濫用、②企業結合、③競争制限的行為、④不公正な取引方法—の4つの行為を規制している。
「支配的地位を有する事業者」とは、以下のいずれかの条件に当てはまる事業者をいう。
(1)市場における50%以上のシェア率を有し、前事業年度の売上額が10億バーツ以上の事業者
(2)市場シェア上位3社の内の1社であり、上位3社の前事業年度の市場シェア率合計が75%以上でかつ、当該各事業者の前事業年度の売上額が10億バーツ以上である事業者
上記条件に当てはまる事業者は、市場における支配的地位を以下の方法で行使することはできない(法第50条)。
(A)商品やサービスの仕入価格や販売価格を不当に固定または維持すること
(B)取引先に対して不当な条件を課すことで、サービス、生産、物品の購入・販売を制限したり、他の事業者から物品の購入・販売、サービスの受領・提供、信用の供与を受ける機会を制限したりすること
(C)正当な理由なく、サービスの提供、生産、販売、配送、輸入を停止、削減、制限したり、市場の需要よりも数量を減らす目的で商品の破壊や毀損等をすること(D)正当な理由なく、他人の事業活動に介入すること
企業結合とは、株式の保有や合併等による企業間の結合関係をいう。本法での「企業結合」には、以下のものが含まれる(法第51条4項)。
(1)合併
(2)他の事業者の方針、事業運営、方向性、経営を支配するために、他の事業者の資産の全部または一部を取得すること
(3)他の事業者の政策、経営管理、指揮、管理を統制するために、直接的または間接的に他の事業者の株式の全部または一部を取得すること
この企業結合の一定の類型については、以下のとおり取引競争委員会への事後届出もしくは事前届出をする必要がある。
(A) 事後届出(法第51条1項)
取引競争委員会の通知に定められた基準に基づき、市場における競争を減少させる可能性のある企業結合を行う事業者は、当該企業結合の日から7日以内に、その結果を取引競争委員会に通知しなければならない
(B)事前届出(法第51条2項)
市場において独占を引き起こし、又は結果として支配的な地位を得る可能性のある企業結合を行おうとする事業者は、取引競争委員会の事前の許可を得なければならない
事前届出について、この事前の許可申請を受けた取引競争委員会は、申請受領日から90日以内に手続きを完了するものとされている(やむを得ない場合は最大15日まで延長可能。法第52条1項)。
THAIBIZ No.155 2024年11月発行タイの明日を変える!イノベーター大特集
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TNY国際法律事務所
日本国弁護士・弁理士
永田 貴久 氏
京都工芸繊維大学物質工学科卒業、2006年より弁理士として永田国際特許事務所を共同経営。その後、大阪、東京にて弁護士法人プログレ・TNY国際法律事務所を設立し代表社員に就任。2016年にタイにてTNY Legal Co., Ltd.を共同代表として設立。TNYグループのマレーシア、ベトナム、メキシコ等の各オフィスの共同代表も務める。
TNY国際法律事務所
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