
カテゴリー: 会計・法務
連載: 聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情 - J Glocal Accounting
公開日 2025.05.09

年間180万バーツ超の売上があるタイ企業にはVAT登録が義務付けられており、多くの日系企業は毎月VAT申告(および必要に応じて納税)を行っています。VAT納税額は原則売上VAT−仕入VATで計算するため、仕入VATの管理は売上VATとの相殺に際して重要なポイントです。
2025年2月に、この仕入VATの取り扱いについて歳入局通達(Paw.164/2568)が発表されました。この中で具体的な計算例を示しており、仕入VATのうち、VAT課税対象取引(図表1(A)および(B)が該当)とVAT対象外取引(図表1(C)が該当)のうち(C)の物品が外国間で動く取引に対応する共通仕入VATの按分額は売上VATから控除できない旨を説明。申告実務においてこの取り扱いが徹底されることになります。

共通費に関する仕入VATについては、まずVAT対象外取引に対する部分を差し引き、残額の仕入VATを毎月Input VATとして売上VATとの相殺などに使用できるとしています。この歳入局通達通りにVAT申告、納税を行なうためには、月次売上額を(A)VAT課税対象取引(7%)、(B)VAT課税対象取引(0%)、(C)VAT対象外取引の種類別に把握することが必要となります。
年次ではなく月次単位で厳密にこれらの売上情報を把握してVAT計算に反映させる必要があるため、特に新規に事業を開始する月は当該新規事業が(A)〜(C)のいずれに該当するか確認の上でVAT計算を行なうことが必要となります。
VATの計算を誤り過少申告となってしまっている場合、税務調査などで指摘を受けると不足額100%の罰金および1ヵ月当たり1.5%(上限は不足額の100%)の延滞税が発生してしまうことになります。日時が大きく過ぎてから指摘を受けると不足額+その2倍の罰科金となってしまい思わぬ負担となるため、注意が必要です。

J Glocal Accounting Co., Ltd. Managing Director
坂田 竜一 氏
バンコク在住。2007年大学卒業と同時に、東京の流動化・証券化に特化した会計事務所に就職。その後、バンコクの大手日系会計事務所で5年間、日系金融機関ほか日系企業の会計・税務、監査業務に従事。税務当局との折衝やDD業務を現地スタッフを介さずにタイ語で対応。2013年12月 J Glocal Accounting 設立。タイにおける会計・税務の専門家として、日系企業へのサポートを行っている。
J Glocal Accounting Co., Ltd.
Website : http://jga.asia/


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