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カテゴリー: 組織・人事, ASEAN・中国・インド
公開日 2025.07.03 Sponsored
タイでビジネスを展開する日系企業の多くが、現地経営の難しさに直面している。特に「ローカル人材に任せたいが、任せきれない」という声は後を絶たない。後継者育成の計画がなく、必要な経験やスキルが整理されていない。現場を担うローカル人材への業務アサインも場当たり的といった理由から、幹部候補がなかなか育たないのが実情だ。
さらに、若手ローカル社員の離職率も高い。昇進や給与面の不満に加え、日本人駐在員が日本式のやり方に固執し、文化ギャップが解消されないケースも多い。
経営をローカル人材に任せるには、「動かす力」と「考える力」を体系的に育てる仕組みが欠かせない。その具体策として、実践型ビジネス教育を提供するグロービスの取り組みに注目が集まっている。
目次
企業とベンチャーキャピタル、教育機関という3つの顔を持つ同社。なかでも教育機関であるグロービス経営大学院は、グローバルなリーダー人材を育成するため、シンガポールや上海、サンフランシスコ、ベルギー、フィリピンに加えタイにも拠点を構えており、プレMBAやグローバル・マネジメント・プログラム(GMP)など、経営者やマネジメント層に向けた質の高い講座を提供する。
THAIBIZは6月、シンガポールのグロービスアジアキャンパスで開催された「テクノベート時代における人材戦略と経営教育」をテーマにしたセミナーを取材した。
同社が提唱する「テクノベート時代」とは、テクノロジーとイノベーションの進展が既存産業の構造を大きく変える状況を指す。セミナーでは、こうした環境下で必要な人材像と、企業が取るべき育成アプローチが具体的に説明された。
同社の堀義人代表は、「流通ではアマゾン、自動車ではテスラと、テクノロジーの進化によってチャンピオンが完全に変わった。教育ではオンライン学習やAIの台頭が象徴的な例であり、経営においても、これまでの成功パターンが通用しなくなる」と警鐘を鳴らした。そのなかで、経営層や幹部候補に必要なのは単なる知識習得ではなく、現場の状況を見極め、適切な打ち手を講じる思考力と、それを実行していくリーダーシップだと指摘する。
セミナーの後半は質疑応答に充てられ、参加者からは「意欲が低い人材にも教育すべきか」「(同社が設けている)不満があれば全額返金するというサービス補償制度はリスクでは」などの質問が寄せられた。
これに対し堀代表は、「意欲の高い人材に集中投資する方が効果的だ。選抜型研修や自己啓発支援を重視し、意欲が低い層には強制せず、学びたい人を伸ばす文化を醸成している」、「全額返金補償は品質への自信と、社員の意識を高める文化づくりになる。悪意あるクレームは極めて少ないというデータ分析にもとづいており、自社課題を常に可視化し解決する風土を作る意味で、非常に価値は高い」と回答した。このようなインタラクティブな講座設計も特徴の一つになっている。
グロービスの教育方針は、日本・海外を問わず「実践重視」で一貫している。単なる知識の習得ではなく「考える力」「行動する力」「コミュニケーション力」の3つの要素を体系的に身につけることができる。例えば経営戦略やリーダーシップ、クリティカル・シンキングといった思考の型を、ローカル人材にもわかりやすく提供する仕組みだ。
こうした方針の背景には、同代表がハーバード・ビジネス・スクールで学んだ際の衝撃があるという。「日本の教育は知識を詰め込み、正解を求めるものだった。しかしビジネスの現場には正解はなく、最善の解を探す力が求められる。ハーバードでその思考法を体得し、自分の能力が飛躍的に高まった」と語る。
同社では、個人の自発的な受講に加え、企業内研修の導入実績も豊富だ。タイ国内では自動車、食品、商社を中心に、幹部候補や中核人材の育成を支援している。
また、前述のように、全額返金補償制度を設けているのもグロービスの特徴だ。このようにハーバード式の実践教育と顧客満足度を徹底的に重視する姿勢が評価され、同社は急成長を遂げている。
THAIBIZの取材に対し堀代表は、リーダー人材の育成は投資であり、企業にとって最大の効果を生む領域だと言い切る。「マーケティングや戦略、ファイナンス、ITなどの基礎知識に加え、自ら考え、決断し、周囲を巻き込む力を養うことが不可欠だ。そのためには、企業内研修や外部教育の活用が重要。人材育成に本気で取り組む企業こそ、持続的な成長ができると確信している」。
グロービスの講座は、企業の組織運営にもさまざまな変化をもたらしている。
例えば、「クリティカル・シンキングを導入し、社内共通の思考ルールを制定することで認識のズレや曖昧な指示が減り、駐在員とローカル社員のコミュニケーションがスムーズになった」「プレゼンテーションやファシリテーション、ネゴシエーション等の講座は翌日から実務に活かすことができた」「東南アジア各国で独自に行われていた人材育成を、地域統括拠点が一元的に設計・運用することで、タレントプールの見える化が実現。優秀層の把握と育成計画の統合が進み、地域全体の人材戦略が効率化された」といった効果が各社から報告されている。
特に東南アジアに拠点を複数持つ企業にとっては、競争力強化のために、今後地域単位での統一的な人材戦略がますます重要となるだろう。
東南アジア事業の拡大が進む中、現地リーダーを計画的に育成し、経営を任せられる体制を整えることは多くの日系企業の課題となっている。
グロービスはタイ・バンコクにも拠点を構えており、オフライン・オンライン双方で受講可能だ。英語・日本語に対応し、企業内研修では企業ごとの課題や人材層に応じて柔軟なプログラムを設計することができる。今後の経営体制の属人化リスクを減らし、現地組織の自律的な成長を促す策の一つとして有効だろう。
【お問い合わせ先】
グロービスアジアキャンパス
12 Marina View #29-02, Asia Square Tower 2 Singapore 018961
E-mail:[email protected](担当:植島)
対応言語:日本語・英語
株式会社グロービス
「創造と変革の志士を輩出する」を理念に1992年創業。グロービス経営大学院は日本最大級のビジネススクールとして、累計約10,000名超のMBA取得者を輩出。年間取引企業数は約3,400社、年間受講者数は約42万人にのぼる。個人向け動画学習サービス「GLOBIS学び放題」も展開。現在はアジア主要都市にも拠点を構え、現地幹部や次世代リーダーの育成をグローバルに支援している。
THAIBIZ編集部
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