
カテゴリー: 会計・法務
連載: 聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情 - J Glocal Accounting
公開日 2026.03.10
タイには社会保障基金(SSO※)があり、従業員を雇っている企業は従業員の国籍に関係なくSSOに加入させることが義務付けられています。会社設立後に初めて従業員を雇う場合など、タイに進出したばかりの人には馴染みのないSSOについてご説明します。
※厳密にはSocial Security Fund(SSF)と呼ばれSSFを管理しているのが社会保障事務局(Social Security Office, SSO)となるが、実務上は基金そのものもSSOと呼ぶことが多い。

SSOは被保険者(従業員)が病気、ケガをした時に指定病院で治療を受けるための保険である他、失業した場合の失業手当、死亡した場合の遺族給付金、老齢年金などの役割を備えています。SSOは基本的に全ての従業員が対象となる他、取締役であっても勤務実態が従業員である場合などには加入が必要となる点に注意が必要です。
社会保険料の拠出額については従業員、会社側の双方がそれぞれ給与の5%を拠出することとされています。ただしここでいう「給与」には上限が定められており、いくら多くの給与を受け取っていたとしても上限1万7,500バーツまでが対象となっています。この上限は2026年時点のものですが、今後段階的に引き上げられていく予定です(図表1)。

会社設立後、まずは雇用主である会社のSSO加入手続きを行います。この手続きには「SPS1-01(สปส.1-01)」というフォームを使用します。その後、従業員を雇用した場合は雇用日から30日以内にその従業員のSSO加入手続きを行う必要があります。この手続きには「SPS1-03(สปส.1-03)」というフォームを使用します。また、当該従業員が退職した場合は15日以内に届け出る必要があります。
これらの手続きは全てSSOのウェブサイトでのオンライン手続き、もしくは所轄のSSOオフィスで行うことが可能です。
社会保険料は毎翌月15日(オンライン支払の場合7営業日の延長あり)までに納付する必要があります。納付期限を過ぎてしまった場合、1ヶ月当たり2%の延滞金が科せられます。
また、従業員を雇用しても意図的にSSO登録を怠る、またはSSOに届け出ている情報のアップデートを意図的に怠るなどした場合、雇用主は6ヶ月以下の懲役または2万バーツ以下の罰金、またはその両方を科せられる可能性があります。

J Glocal Accounting Co., Ltd. Managing Director
坂田 竜一 氏
バンコク在住。2007年大学卒業と同時に、東京の流動化・証券化に特化した会計事務所に就職。その後、バンコクの大手日系会計事務所で5年間、日系金融機関ほか日系企業の会計・税務、監査業務に従事。税務当局との折衝やDD業務を現地スタッフを介さずにタイ語で対応。2013年12月 J Glocal Accounting 設立。タイにおける会計・税務の専門家として、日系企業へのサポートを行っている。
J Glocal Accounting Co., Ltd.
Website : http://jga.asia/

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