「7,000億バーツ投資を後押し、加速策始動」「チャチャート再選、都民は環境改善期待」

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「7,000億バーツ投資を後押し、加速策始動」「チャチャート再選、都民は環境改善期待」

公開日 2026.07.02

6月23日付のタイ投資委員会(BOI)発表によると、タイ政府は、戦略的ハイテク投資の実現を加速する新制度「タイランド・ファストパス」を正式に開始した。対象は先端電子機器、航空宇宙、精密機械・自動化システム、リサイクルプラスチックなどで、BOI、タイ工業省工場局(DIW)、関税局、天然資源・環境政策計画事務所(ONEP)、タイ工業団地公社(IEAT)、電力当局など8機関が連携する。

同制度では、工場許可、フリーゾーン(FZ)手続き、環境影響評価、電力網接続などの承認・許認可期間を20〜50%短縮する。対象案件は2段階に分かれ、第1段階で76件、約4,740億バーツ、第2段階で23社25件、約2,230億バーツの投資案件を対象とする。総額は約7,000億バーツにのぼる。

BOIによると、2025年の投資申請額は過去最高の約1兆8,000億バーツに達し、2026年第1四半期もすでに約1兆バーツを超えた。今回認定を受けた23社25件の案件では、1万3,000人以上の高技能雇用創出が見込まれている。タイ政府は投資認可件数だけでなく、認可済み案件を実際の工場建設や雇用創出につなげることを重視している。


6月29日付のクルンテープ・トゥラキットによると、バンコク都知事選で無所属のチャチャート・シッティパン氏が再選を果たし、2期目の4年間を担うことになった。同氏は2022年の前回選挙で過去最多得票を記録し、SNSやデジタルツールを活用した市民参加型の行政運営で知られる。

選挙前に実施された調査では、市民が新都知事に最も期待する政策として、ごみ処理や環境対策が52%で最多となった。バンコクでは1日当たり8,700〜9,000トンのごみが発生しており、PM2.5対策や緑地拡大も大きな課題となっている。市民1人当たりの緑地面積は8.27平方メートルと、世界保健機関(WHO)が推奨する9〜15平方メートルを下回る。

このほか、交通渋滞や公共交通機関の接続性向上が17%、安全対策が15%、洪水対策が12%と続いた。チャチャート氏は2期目の重点政策として「バンコク9つの良い(9ดี)」を掲げ、行政の透明性向上や環境対策、公共交通の改善、医療・教育サービスの充実などを進める方針だ。今後4年間、交通、環境、防災など都市課題への対応がどこまで進むかが注目される。

チャチャート・シッティパン氏(写真提供:チャチャート氏の広報チーム)

6月16日付のバンコク・ポストによると、タイ国内の燃料価格は国際原油価格が下落傾向にあるにもかかわらず、少なくとも今年第4四半期までは高止まりする見通しだという。6月15日時点の小売価格は、ディーゼルが1リットル当たり39.80バーツ、ガソホール95(オクタン価95のガソリンとエタノールを10%混合した燃料)が42.30バーツと高水準が続いている。

背景には、タイが原油輸入に依存していることに加え、中東情勢の影響による石油精製設備や液化天然ガス(LNG)施設への被害がある。アジアでは製油能力が限られる国も多く、精製油価格の上昇が続いているという。また、10月受け渡し分のディーゼル先物価格も高水準で推移しており、当面は価格下落が見込みにくい状況だ。

さらに国内価格には石油燃料基金や各種税金が反映される。石油燃料基金は価格高騰時の補助金支出により、6月15日時点で約584億バーツの累積赤字を抱えており、債務返済のため徴収を継続している。このため国際原油価格が下落しても、小売価格はすぐには下がらない構造となっている。


株式会社国際協力銀行(JBIC)は6月18日、在タイ日本国大使館と「タイにおける省エネルギー化ポテンシャル報告セミナー〜省エネルギー・脱炭素に関する変革と機会」をバンコク都内で開催した。 

リブ・コンサルティング(タイランド)の調査によると、省エネルギー効果が高いと見込まれる有望産業は①食品、②ゴム・プラスチック、③金属加工、④非金属鉱物、⑤自動車、⑥化学。これら6業種だけでも、今後10年間で年間950億〜2,100億バーツのエネルギーコスト削減と、1,440万〜3,980万トン二酸化炭素換算(t-CO2e)の排出削減効果が期待されると試算した。また、その規模はタイ全体の温室効果ガス削減目標を十分にカバーできる水準だという。 

同社のサラ・チョンバンヤットチャロン氏は「まずは現在のエネルギー使用量と目標とのギャップを把握し、投資対効果(ROI)に基づいて解決策を選択することが重要だ」と指摘。そのうえで、タイ政府による支援制度の活用や、省エネルギー分野のノウハウを持つ日本企業との協業が有効との見方を示した。 

リブ・コンサルティング(タイランド)のサラ・チョンバンヤットチャロン氏

ゲストスピーカーとして登壇した味の素タイランドのサステナビリティ部門マネジャー、サミット・ペッディ氏は、同社の脱炭素への取り組みを紹介。2050年までのネットゼロ達成を目標に掲げ、省エネルギー化を単なるコスト削減策ではなく、競争力強化や社会的価値の創出につなげる重要な経営課題と位置付けているという。 

スコープ1・2については、エネルギー効率化や再生可能エネルギーへの転換を推進。カンペンペット県にある工場でのバイオマス活用やサプライヤー・農家との連携を通じて、対応が難しいとされるスコープ3の削減にも取り組んでいることを明らかにし、参加者の関心を集めた。

THAIBIZ編集部
サラーウット・インタナサック / 白井恵里子 / 和島美緒

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