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カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2018.02.22
目次
畑中秀郁 はたなか ひでふみ
ガラスびんを中心とした容器の製造販売を行う、日本山村硝子。日本国内のガラスびん業界でトップシェア(40%弱)を誇り、中国、フィリピン、タイ、インドネシア、アメリカでも事業を展開している。
タイでは2009年に、栄養ドリンク「M‐150」で知られる大手飲料系財閥、オソサファ社との合弁でYamamura International (Thailand) Co., Ltd.を設立。日本でガラスびんを供給する顧客企業がアジア諸国へ進出した際に、現地で商品のパッケージを調達、充填して流通に乗せられるようにと先回りして進出したかたちだ。現在は食品や薬品関連業界向けに、国内外から調達したガラスびんなどに加え、商社としてもさまざまなパッケージを仕入れて販売している。
同社で2代目社長を務める畑中秀郁氏にとって、海外駐在は2度目だ。2011年から4年間はコングロマリッド企業、サンミゲル社との合弁会社でガラスびん製造工場の生産部長を務め、日本本社技術部と兵庫県にあるびん製造工場で培った8年間の経験を、フィリピンで活かした。
大学でガラス構造を研究していた畑中氏は、就職活動の際、自動車や携帯メーカーなどガラスを扱う業界の中でも「今後、変革が必要なのはどの業界か」を教授に聞いたという。返ってきた答えがガラスびん業界だった。
「ガラスびんの市場は、環境リテラシーの高い欧州や、文化として根付いている北米、また経済成長中のアジアでは伸びていますが、日本国内は減少が続いています。日本で苦境に立つ産業で自分の力を発揮したいと、日本山村硝子に入社しました。市場が縮小している日本でも、独特の魅力があるガラスびんが活躍する場はまだまだあるはずです。ガラスが持つ可能性を経営に結びつけ、業界と会社を盛り上げることに役立ちたいとチャレンジを続けています」。
入社当時は「技術で良い製品ができれば、会社全体が良くなるはず」と意気込んだが、現場の業務は品質や効率の改善業務がメイン。もっと根源にある経営ビジョンや、ガラスびんの価値を伝えるストーリーに改善の余地があると考えていた頃、国際部への異動が決まる。新規事業の開拓にインド、ブラジル、ロシア、アジア各国で日本の技術を活用できるパートナー探しに奔走し、言語も文化も異なる相手との商談を通じて、さまざまな企業の経営ビジョンの在り方を学んだ。
畑中氏は、海外に出たことで自社を俯瞰する力と、想定外のことが起こる環境で生き抜く胆力を養うことができたと話すが、「経験だけでは弱い」と、フィリピン赴任時代にはMBAを取得、経営理論を学ぶ。それでも、「ゴールはあくまでも業界と会社が社会にもっと必要とされること。経営ビジョンの実現には、社内外、国内外の方々に力を貸していただけるようにならなければなりません」と現状に甘んじない。
「リサイクルの優等生ガラスびんを通じて、いかに社会や環境に貢献していけるかが大事だと考えています。これまでの経験と知識を駆使して能動的経営を実践し、タイ社会で支持される会社を目指します」。
ガラスびんに加え、プラスチックキャップなども生産販売している
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THAIBIZ編集部
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