カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2015.07.24
山縣 修 やまがた おさむ
長野県松本市に本社を置くアズサイエンス株式会社は、科学機器・産業機器・医療機器、医薬品、試薬などを扱う専門商社だ。2012年に初の海外拠点として設立されたタイ法人では、理化学機器や各種分析装置、研究用試薬などを中心に、試験研究の現場で用いられるあらゆる機器、消耗品を取り扱い、設立当時からタイ事業を担当する山縣 修氏は「タイと日本の研究分野での架け橋」になれればと思いを馳せる。
山縣氏はタイ赴任前まで、山梨で工業薬品を中心とした試薬理化学機器の販売を担当していた。「自称、口下手で人見知りなんです」と明るく朗らを運転し、工業団地の日系企業やローカル企業へ足を運ぶ日々だ。
今年3月には、タイ国立マヒドン大学の理学部キャンパス内にショップ『M.A_Bio』をオープン、学内外の研究機関に向けた販売をスタートした。
「理化学機器や分析装置の主な販売先は、検査・試験研究機関です。実はタイにおいてこの市場はすでにでき上がっており、進出当初はどう販路を作るか苦心していました。そんな時、当社タイ人セールスマネージャーの紹介でお会いした大学の先生から、マヒドン大学の教授を紹介いただく好機に恵まれました。『日本では東京大学のような国立大学内に試薬機器販売のショップがある』とお話したところ、ぜひマヒドンにもそのようなショップが欲しいと、教授から大学側へ掛け合ってもらい、足掛け2年、ショップをオープンするに至りました。大学内にショップを構えられたことで、顧客のニーズなど情報が掴めるようになればと期待しています」。
オープン前には学内の先生方を対象にアンケートを実施。ショップの開設について前向つ、期待を感じられる結果が得られた。現在、ショップには日本から赴任した責任者の山本鐵臣氏が常駐し、取り扱い製品について応対している。
パヤタイにあるマヒドン大学理学部校舎内にオープンしたショップ、『M.A-Bio』
顧客であるタイ人の教授や研究者のなかには、日本での留学経験を持つ人も少なくなく、「便利で日本ではメジャーな器具なのに、タイでは販売しておらず入手できなかったので嬉しい」と喜ばれることも。しかし、〝日本のもの=良いものだから売れる〞というセオリーは、そう簡単には通じない。特殊な機器に関しては、日本からの取り寄せとなってしまうこと〝日本のもの=高価だし手元に届くのが遅い〞と避けられてしまうこともあるという。
同社では日本メーカーだけでなく海外メーカーの製品も扱っているが、すでにタイの代理店が市場に入り込んでおり、そこに食い込むのは容易いことではない。山縣氏は、これらのタイの地場企業とも良好な関係を構築していけたらと話す。
「商習慣の違いもあるのでしょうが、日本のように同業他社でもお互いに信用を持って、得意な分野を広げていくことができれば、顧客にもお互いにとっても有益です。同業同士、もっと歩み寄ることができればと思っています」。
アズサイエンス株式会社
<東京本社>東京都江東区佐賀1-18-8 佐賀町MDビル4F
+81(0)3-5843-8155
AZ Science (Thailand) Co., Ltd.
32 Permpoom Building 3rd Floor, Soi Sukhumvit 87,
Sukhumvit Rd., Bangjak, Phrakanong, Bangkok 10260
02-311-4127, M.A-Bio 02-644-5212
THAIBIZ編集部
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