ArayZ No.78 2018年6月発行知らないことがリスクです!国際相続
この記事の掲載号をPDFでダウンロード
掲載号のページにて会員ログイン後、ダウンロードが可能になります。ダウンロードができない場合は、お手数ですが、[email protected] までご連絡ください。
カテゴリー: 組織・人事
公開日 2018.06.25
“人事とは、世の中を変えていくレバレッジポイントである”。
そう話すのは、多業界での人事採用を経て人材研究所を設立した曽和利光氏と、タイ・バンコクを拠点に組織人事コンサルティング会社Asian Identityを運営する中村勝裕氏。
会社組織のみならず、社会を変えていくほどの影響力を持つ「人事」の可能性について、お二人に語っていただきました。
中村勝裕
愛知県出身。上智大学外国語学部卒後、ネスレ日本入社。その後、コンサルティング会社リンクアドモチベーション(東証一部上場)において組織変革コンサルタントとして数多くのプロジェクトに従事した後、GLOBIS ASIA PASIFIC において東南アジア各地における企業人材育成や、日本人の海外研修の企画や運営を担当。2014年よりタイに移住し、タイ人とともにAsian Identity Co. Ltdを設立。日本人とタイ人の混成チームで、日系企業の人材開発、組織活性化を支援するコンサルティングを行っている。
曽和 利光
愛知県出身。京都大学教育学部教育心理学科卒業後、株式会社リクルートで人事採用部門を担当、最終的にはゼネラルマネージャーとして活動したのち、株式会社オープンハウス、ライフネット生命保険株式会社など多種の業界で人事を担当。「組織」や「人事」と「心理学」をクロスさせた独特の手法が特徴とされる。2011年に株式会社 人材研究所を設立。企業の人事部(採用する側)への指南を行うと同時に、これまで2万人を越える就職希望者の面接を行った経験から、新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開する。
中村 曽和さんと半期に一度、企業の人事マネージャーや経営幹部の方向けに開講しいている「HRカレッジ(人事の学校)」の卒業生は、延べ約250名に達しました。
曽和 日本だと企業全体に占める人事担当者の割合は約1%が平均値なので、単純計算すると約250名の卒業生の方々が携わる、およそ2万5000人の働き方に影響を与えた可能性があるということになりますね!人事担当者の考え方が変われば、その企業に勤める社員の方の働き方や考え方が変わっていきます。人事というのはそれくらい重要な、組織におけるキーポイントなんです。
中村 人事や組織が力をつけることは、強い商品や技術と比べても息が長い競争優位性だと言えます。トヨタの方から、「人がモノを作るのだから、モノをつくる前に人を作らないといけない」という言葉を聞いたことがあります。では人を作るのは誰なのか。それはマネジメントに携わる方々であり、そして人事です。しかしながら、人事に関する知識というのは経験則や持論に基づいて行われがちで、きちんとしたセオリーを学ぶ機会があまりない。
曽和 変化の時代にこそ、普遍的な知識は活きます。人間である以上、心理学などの原理原則は必ず通用するからです。そして人事は経営戦略と結びつきが深く、この2つはつながっていることを理解しなければなりません。HRカレッジには人事マネージャーの方だけでなく、経営幹部の方にも参加いただけるとベストだと思います。例えば「ジョブローテーションを多くしたり、少なくしたりすると組織がどうなるか」「評価・報酬制度をどうすると、人材が残りやすいのか」といった組織の定義についても学ぶので、各社が目指す方向に適用できる知識が身に付きます。人事担当者の目線を上げる効果があると思います。
曽和 人事は体系的に学ぶと密度が濃くて、一気に学ぶとけっこう疲れます(笑)。HRカレッジでは受講される方に消化していただきやすいよう、「採用・配置・育成・組織開発(モジュールA)」というソフト面を学ぶ回と、「評価・報奨(モジュールB)」というハード面を学ぶ回に分けて講座を実施しています。
中村 2018年下半期は9月21・22日にモジュールAを開講しますが、ここでは求める人材像を決定し、見極め、効果的な採用を行う方法から、採用した人材の適材適所や相性、マッチング、キャリア形成を考えた配置の仕方。さらに人材育成のデザインスキルを身に付け、組織開発までを学びます。また11月16・17日に開講するモジュールBでは、人事等級のつくり方や考え方、等級評価・報酬の制度設計などについてを学びます。特に評価制度は運用が非常に重要です。制度が形骸化してしまわないためにはどうするべきか、というのもポイントまでカバーした内容にしています。
曽和 あとは人事担当者が何を学び、どう成長すべきかという、人事担当者ご自身のキャリア形成についてもお話させていただいています。
中村 HRカレッジでお話するのは、「日本だからこう、タイだからこう」という内容ではなく、企業の国籍や規模、形態を問わず、変化にも対応できる普遍的な人事の原理・原則です。コンセプトは、①人事を体系的に学ぶこと、②人事を実践的に学ぶこと、③日本人とタイ人が一緒に学ぶこと―の3つ。日本人管理者の方とタイ人人事マネージャーの方に同じ内容、同じ量の知識を共有してもらえるよう、講義は日本語とタイ語の同時通訳で行っています。講義は日本語とタイ語の通訳を交えて行っています。自社組織に落とし込めるような質疑応答なども豊富に行い、自社の人事施策に役立てるようサポートします。
ArayZ No.78 2018年6月発行知らないことがリスクです!国際相続
掲載号のページにて会員ログイン後、ダウンロードが可能になります。ダウンロードができない場合は、お手数ですが、[email protected] までご連絡ください。
THAIBIZ編集部
SHARE