カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2015.06.10
目次
Wim Manopimok(ウイム マノーピモーク)氏
吉本興業がタイに拠点を設けたのは2012年のこと。アメリカや台湾、韓国などに続き、同社にとって5つ目の海外拠点となる。YOSHIMOTO ENTERTAINMENT (THAILAND) Co. Ltd.のウイム・マノーピモーク代表取締役社長は、国賓留学生として1994年早稲田大学へ留学した経験を持つ。初対面なら誰しも日本人と間違えるほど美しく流暢な日本語を話すウイム氏は、タイ初の日本語ラジオメディア「J-Channel」などを運営する傍ら、大手タイ企業・セントラルグループのアドバイザーも務めるタイ人実業家だ。
ウイム氏と吉本興業との出会いは『サラネー・おせっかい』(12年タイ公開)という1本の映画がきっかけだった。
「ジェトロのビジネスマッチングなどをサポートするコーディネーターを務めていた当時、タイの芸能プロダクションから〝日本でお笑いの映画を制作したい〞と相談を受け、吉本興業に掛け合ったのが始まりです。
アジア進出を考えていた吉本興業はこの映画制作に積極的に協力、所属芸人のワッキーさん(ペナルティ)らが映画に出演してくれました。吉本興業が持つお笑い、スポーツ、アイドルなどさまざまなコンテンツをタイで展開していくことが決まり、私が代表を務めるMANOインタートレード社との合弁会社設立に至りました」。
親日国のタイでは、日本のアニメやゲーム関連のカルチャーはすでにかなりの認知度を得ている。しかし、これがお笑いとなると文化に言葉の壁も重なり、タイに限らず日本以外で参入するには乗り越えるべきハードルが多い。
「吉本興業はタイではまだまだ無名の企業。ブランディングのツールとしてまず注目したのが、タイで浸透しているアニメやアニソンです。〝タイランドコミコム〞というアニメ関連イベントにおいて、吉本興業が持つジャパンコンテンツとしてタイ人が日本語のアニソンを歌うコンテストを行い、声優や歌手デビューを目指すというアニソンイベントを導入しました。このプロジェクトでは、タイ人タレントを日本へ輸出することも視野に入れています。
ほかにも、日本テレビ系列で放送されていたゲームバラエティー番組『謎解きバトルTORE!』をタイ版にローカライズして放送したことをきっかけに、新興地デジ局では日本に関連する番組がローカライズされ積極的に放送されています」。
もちろん、吉本興業が持つ最大の商材〝お笑い〞もタイで展開していく。今月21日には、イオンタナシンサップが特別協賛として参画したお笑いイベント「週末よしもと イオンよしもと555ライブ 〜タイまで出張に参りました!〜」がバンコクで開催される。
「なかなかライブでお笑いを観ることができない地方に芸人が出張して笑いを届ける〝週末よしもと〞を、今回はバンコクで開催します。ぜひ皆さん、観に来てください。
ほかにも〝住みますアジア芸人〞というプロジェクトを行っており、3名の日本人芸人が、日本のお笑いを普及させるためにバンコク生活をスタート。タイネタを蓄え、今後はタイメディアに積極的にも露出してお笑い活動を行っていきます」。
ウイム氏は、日本からお笑いをそのまま持ってくるのではなく、タイ人に受け入れられるお笑いを試行錯誤しながら届けたいと話す。タイと日本をエンターテインメントで繋ぐ架け橋となるべく、奮闘している。
吉本興業株式会社
大阪市中央区難波千日前11番6号
+81(0)6-6643-1122(代表)
YOSHIMOTO ENTERTAINMENT(THAILAND) Co. Ltd.
21/85 Soi Soonvijai, New Petchburi Road,
Bangkapi, Huaykwang, Bangkok 10310
02-203-0453~5
THAIBIZ編集部
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