カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2015.05.05
2015年のタイ経済の回復テンポが依然として不安定であるため、企業は限られた広告予算の利用による費用対効果を一層重視しています。年間を通した長期の広告媒体利用計画を立てる代わりに、短期の広告媒体利用計画を立てるようになっています。時機に応じて変化する経済状況や、各商品・サービスの市場に見合うように、広告予算を調整していると見られます。このような状況の中で広告代理店は、販売促進活動やイベント等への予算投入の選択肢がある中で、広告媒体の価値を企業にアピールする必要があります。
商品・サービスの広告における選択肢はますます多様化し、企業は様々な広告媒体に広告予算を分散しています。中でも、消費者の商品・サービスの購入意思決定への影響力が強まっているインターネット媒体と地上デジタル・テレビ広告を重視する傾向にあります。広告媒体の多様化により、中小企業が広告予算への支出に目を向け、こうした企業の広告需要が広告業界に生じています。さらに、政府による各種媒体を使った公共広告が増加すると見込まれます。
新たな媒体や地上デジタル・テレビ広告は著しく成長しているものの、タイ国内の広告出稿は依然として既存の主要媒体に集中しています。中でも、地上アナログ・テレビ広告の割合が最も比率が高く、広告出稿料全体の60%以上を占めます。企業が広告予算を新たな媒体や地上デジタル・テレビ放送にシフトさせる傾向にあることで、広告媒体間の競争の様相が、同一種の広告媒体による予算の取り合いから、様々な広告媒体間の予算の取り合いへと変化していると見られます。また、地上デジタル・テレビの開始により、テレビ局数が急に増加したため、テレビ局における予算の取り合いも激しくなっています。
このような状況により、多くの広告関係者が地上デジタル・テレビ局の広告戦略に注目しています。地上デジタル・テレビ局は、それぞれ異なった広告販売戦略を用いています。地上デジタル・テレビ局の中で、自社でテレビ番組のコンテンツを制作することができる局は、視聴者を誘発し、企業の広告を呼び込めます。また、多様な媒体を持つ地上デジタル・テレビ放送事業者は、テレビ、新聞、ウェブサイトなど他の広告媒体を組み合わせたパッケージ式の広告販売に注力しています。
カシコンリサーチセンターは、2015年の広告出稿料は、1313~1348億バーツとなり、2014年の1183億バーツから11~14%増になると予測します。なお、2014年の広告出稿料は2013年に比べ、約6%減少しました。
本資料は情報提供を唯一の目的としており、ビジネスの判断材料とするものではありません。掲載されている分析・予測等は、資料制作時点のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、予測の妥当性や正確性が保証されるものでもありませんし、商業ないし何らかの行動の為に採用することから発生した損害の責任を取れるものでもありません。本資料の予測・分析の妥当性等は、独自でご判断ください。
■タイ経済最新情報 4月号 2015/4/30 (No.110)
監修:カシコンリサーチセンター
マクロ経済・投資調査部取締役副社長
Dr. ピモンワン マハッチャリヤウォン
マクロ経済調査主任研究者
ルチパン アッサラット
ハタイワン トュンカティラクン
THAIBIZ編集部
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