会計データで見るタイ市場

THAIBIZ No.150 2024年6月発行

THAIBIZ No.150 2024年6月発行味の素が向かう究極のバイオサイクル

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会計データで見るタイ市場

公開日 2024.06.07

タイで登記されている会社の財務データは公開されており、誰でも無料で入手することができます1

そこで今回は公開情報のみを使用して「飲食業」「会計・監査業」「コンサルティング業」の3業界を比較してみます2

① 産業動向3

産業全体の売上高・会社数ともに飲食業の数値が最も大きく、次いでコンサルティング業、会計・監査業が続きます。飲食業は1社あたりの売上高も最も大きくなっている一方で、利益が出ている会社の割合は最も低く、「売上は立つが、利益を出すのは簡単ではない」という状況の可能性があります。

反対に会計・監査業は1社あたり売上高は小さいですが、利益が出ている会社の割合は最も高く、金額はともかくとして、手堅く利益を出すことができる産業であることを示唆しています。

② 収益性

会計・監査業はROA、ROEともに最も高い値を示し、前述の内容と合わせ、手堅い産業であることを示唆しています。一方で売上高純利益率が最も高いのはコンサルティング業であり、「高い収益を出す力のある」産業であることが伺えます。

反対に飲食業はコロナ明けであることもあってか、厳しい状況にあることが伺えます。

③ 成長性4

飲食業が売上・社数ともに高い成長性を示しています。他方、これはコロナ禍が一服したことに基づく「回復」である可能性があります。

会計・監査業およびコンサルティング業も手堅い成長性を示しています。個人的に驚きだったのは、AIが台頭し、会計・監査業は自動化されるという議論が先進国ではしばしばなされる中、タイでは会計・監査業もいまだに成長している、という事実です。

データを見ると、他にも実はこういった、想像とは異なる結果を見せる業界もあるかもしれません。

  1. ※1 出所:DBD Datawarehouse ↩︎
  2. ※2 データは全て2022年度 ↩︎
  3. ※3 売上高の単位:100万バーツ。『会社数』は『財務諸表を提出した会社数』を示す。 ↩︎
  4. ※4 2021年度と2022年度を比較した成長率 ↩︎
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Biz Wings
CEO & Founder

倉地 準之輔 氏

日本で監査法人、外資系企業勤務を経て2013年来タイ。外資系会計事務所勤務後、2015年10月にBizWings (Thailand)Co., Ltd.を設立。複数の公的機関にて日系企業のアドバイザーを務める傍ら、経営コンサルティング業務を提供している。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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Tel:02-077-9916
E-mail:[email protected]
680 Prom Ratchada Tower C, 1st Floor, Soi Nathong (Ratchadapisek 7), Din Daeng, Bangkok 10400


Website : http://www.bizwings.co

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